「中国のハワイ」とも称されている中国の最南端に位置する島・海南省は今、深刻な洪水被害に見舞われている。
同省は台風20号(チャーミー)の直撃をうけ、先週から連日のように大雨が降り続いていた。
深刻な洪水による水害をもたらした原因について、連日のように降り続いた大雨による河川の水位上昇に加え、「夜中にダム放流が行われた」と被災民は訴えている。
現地の2大ダムは10月28日から同時に放水を開始し、10月30日には2つのダムは放流量を3500立方メートル/秒から4500立方メートル/秒に増やしている。
ダムが連日のように放流を行ったために大洪水が発生し、流域一帯(瓊海市および123の村)は水に浸かったまま何日も経つ。多くの地域で水や食料不足が深刻であり、救援を待っている。
被災地住民によれば、「ここには水も電気も信号もない、水は家屋の1階部分を完全に飲み込んだ、みんな高いところに避難している」。
一部の被災地では水深2メートル、水が家屋の屋根のところまで届いていた。
ネットに流出した被災地の映像からもわかるように、無数の車両や家屋が水に浸かり、村民たちは屋上に上がり救援を待っている。
(被災地の状況)
この事態について、中国社会民主党の劉因全主席は次のように指摘をする。
「今は気象予報が非常に進んでおり、台風や暴雨が来ることはとっくに分かっていた。であれば暴雨が来る前にダムを空っぽにするなど、関連部門はそれなりの準備を前もってすべきだった。しかし、彼らはそうはしなかった。百歩譲って、暴風雨が来た後でもいいから、ダムの水を放流するにしても、少なくとも下流地域の住民の生命と財産の安全を確保する前提で、ゆっくりと計画的に放水すべきだ。しかし、当局はそれもしなかった。このことからも、中国共産党が、人民の命や財産になど全く関心がないことがわかる」
民主中国陣線の盛雪副主席も「共産党が気にしているのは党の利益、つまり彼ら内部の権力と利益のみ」と評している。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。