自衛隊は新たに『サイバー人材総合戦略』を発表した。木原防衛大臣は、この戦略が高度なサイバー攻撃に対抗するための専門人材を育成し、確保することを目的としていると述べている。
木原防衛大臣は7月2日の記者会見において、現代の安全保障環境ではサイバー攻撃の脅威が増大しており、これに対抗するためには専門的な知識と技術を持つ人材が不可欠であると述べた。
しかし、日本の人口減少と少子高齢化の影響により、優秀な人材の確保は一層困難になっている。これに対応するため、防衛省は「サイバー人材総合戦略」を策定し、自衛隊のサイバー防衛力強化を図ることを目指している。
戦略の具体的内容
1. 教育と訓練の強化
サイバー人材総合戦略の一環として、防衛省は陸上自衛隊システム通信・サイバー学校のカリキュラムを再編し、より高度なサイバー防衛技術の教育を強化している。これには、実戦に即したシミュレーションや最新のサイバー攻撃手法に対する防御訓練が含まれる。
2. 任期付自衛官制度の導入
サイバー専門の人材を確保するため、任期付自衛官制度が創設された。この制度により、民間でのキャリアを持つ専門家が一定期間、自衛隊でサイバー防衛に携わることが可能となり、自衛隊の内部だけでなく、民間の専門知識と経験を活用する道が開かれている。
3. サイバーに特化した採用区分の新設
さらに、陸上自衛隊はサイバーに特化した採用区分を新設した。この新設区分では、応募者に対して専門的なサイバーセキュリティスキルが求められ、選抜された者は特化したトレーニングを受けることになる。
政府の広範な取り組みとの連携
木原大臣はまたアクティブサイバーディフェンスの導入議論について触れ、サイバー人材総合戦略がどのように連動しているかについても言及した。
アクティブサイバーディフェンスは、攻撃を受けた際に積極的に対処する防御手段だ。内閣官房が中心となって進めるこの取り組みは、サイバー攻撃に対する国の対応力を高めることを目的とし、防衛省の戦略もこれを補完する形で進行している。
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