1977年以来の大規模なストライキが、アメリカの東南部から南部にかけての36の港口で始まる。食品や自動車業界に大きな影響を及ぼす可能性が高まり、この影響は消費者に直接的な不便をもたらすだけでなく、経済全体にも波及することが予想される。
10月2日、アメリカの東南部から南部にかけての36の港口で4万5千人の港湾労働者が、ストライキに突入する。これは1977年以降初めてのストライキであり、全米の約半数のコンテナターミナルが機能停止に追い込まれ、この事態はアメリカの民生と経済に多大な影響を及ぼすという。
CBS Newsによると、アメリカ農業局の経済学者ダニエル・ムンク氏は「ストライキが1日続くごとに、集装箱と船舶の積み残しが発生する」と述べている。彼は、3~5日のストライキが行われた場合、正常に回復するには約2週間が必要だと指摘する。さらに、ストライキが3週間続く場合、状況が正常化するのは翌年の1月初旬になる可能性があると警告する。
特に食品供給の面で、アメリカの多くの食品雑貨店では、バナナやサクランボの不足が予想される。これらの果物に加え、特殊肉類や輸入チョコレートなど、100種類以上の商品がこのストライキの影響を直接受けることになるだろう。ムンク氏によれば、これらの商品は供給が追いつかなくなる可能性が高い。
ニューヨーク州のキャシー・ホークル州知事は、バナナの供給が滞ると警告し、「バナナがなくなるとは言いたくないが、その可能性はある」と述べた。また、自動車産業も直接的な影響を受けるとされ、新車購入を検討している消費者に対して、ディーラーに事前に確認するよう呼びかけている。
さらに、アメリカ農業局によると、このストライキはアメリカの農業輸出にも大きな障害をもたらすと予測される。国内で生産された農産物が過剰になる可能性があり、これにより農産物の出口が妨げられ、約3億1800万ドルの潜在的損失が発生する恐れがあるという。
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