日本人女性のスパイ罪判決が浮き彫りにした中共のロングアーム管轄 日本政府内に協力者? 

2025/01/01 更新: 2025/01/01

2015年、上海出張中の日本人女性が突然逮捕され、「スパイ罪」で6年の刑を言い渡された。ジャーナリストの矢板明夫氏はこうした中国共産党のロングアーム管轄に対して厳しく批判し、日本政府内部にも中国共産党(中共)の協力者がいる可能性を指摘している。

12月30日共同通信社は中国当局が2015年に日本人女性を拘束したのは、彼女の日本国内での行動をスパイ活動と見なしたためだと報じた。

日本と中国の情報筋によると、60代のこの女性は2012年から2013年にかけて、東京で中国大使館の職員と数回会談し、2012年の日本政府による尖閣諸島の「国有化」後の日中対立に関する中国側の見解を聞き、その内容を2人の日本政府関係者に伝えた。その情報には国家機密は含まれていなかった。その後2015年、この女性が上海に出張した際に中国当局に逮捕され、2019年2月に上海高級人民法院でスパイ罪により懲役6年の刑を言い渡された。

これは日本人が国内での行動により中国でスパイ罪に問われた初めてのケースだとされている。日本政府はこの事実を知っていたが、公表していない。

12月30日夜、矢板明夫氏はFacebookで「荒唐無稽」「衝撃的」と厳しく批判した。

矢板氏は、この女性が上海で逮捕された当時、自身が北京で記者をしており、いくつかの記事を書いたが、誰も逮捕理由を知らず、「規制区域に誤って入ったか、撮影してはいけないものを撮影した」などと推測していたと述べた。日本での行動が犯罪とされるとは思いもよらなかったと述べている。

矢板氏は、この事件が非常に深刻で、3つの問題を示していると指摘している。

1. 中国共産党のロングアーム管轄が外国にまで及んでいること。国際常識では、各国の法律はその国の主権の範囲内でのみ適用されるべきだが、中国共産党はこの常識を無視している。

2. この女性と日本政府関係者の会話内容が中国側に入手されたことは、日本政府内部に中国側の協力者がいる可能性を示唆している。

3. 尖閣諸島問題に関する中国側の見解は、中国外交部の報道官が毎日のように口にしており、決して国家機密ではない。このような理由で人を逮捕するのは、罪を捏造しているようなものだ。

夏松
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