グリーンランド首相 トランプ氏との対話の準備が整ったと発表

2025/01/12 更新: 2025/01/12

グリーンランドのムテ・エゲデ(Múte Bourup Egede)自治政府首相は1月10日、アメリカの次期大統領トランプ氏との対話の準備が整ったと述べた。トランプ氏はこの北極圏の島の管理を望んでいると繰り返し発言しており、グリーンランドの独立の願いを尊重するよう呼びかけている。

グリーンランドはデンマーク王国の自治領であり、正式にはデンマーク王国の一部ですが、高度な自治を享受しています。

トランプ氏は1月20日に米国大統領に就任する。トランプ氏は、米国によるグリーンランドの支配が絶対に必要だと考えている。彼はグリーンランドを軍事的または経済的手段で接収する可能性を排除していない。

1月7日、トランプ氏はフロリダ州のマー・ア・ラーゴでの記者会見で、デンマークが、米国によるグリーンランド購入の提案を拒否した場合、デンマークに関税を課す可能性を示唆し、同島が米国の国家安全保障にとって極めて重要だと強調した。

「国家安全保障上の理由から、我々はグリーンランドを必要としている」と彼は述べた。

人口5万7千人のグリーンランドは、1953年以前はデンマークの植民地だったが、現在はデンマークの自治領である。2009年、グリーンランドは国民投票により内政の自治権を獲得した。グリーンランドは米国の大規模軍事基地の所在地でもあり、米国にとって重要な戦略的意義を持つ。トランプ氏はデンマークのグリーンランド主権の正当性に疑問を呈している。

10日、コペンハーゲンでの記者会見で、トランプ氏との接触があったかどうか尋ねられたグリーンランドのエゲデ首相は、「いいえ、ありませんが、我々は対話の準備ができています」と答えた。

エゲデ氏はグリーンランド自身の願いを強調し、「我々は独立を、自分たちの家の主人になることを切望しています……これは誰もが尊重すべきことです」と述べた。

「しかし、これはデンマークとのすべての繋がり、すべての協力、すべての関係を断ち切るということではありません」と彼は付け加えた。

9日、デンマークのメッテ・フレデリクセン(Mette Frederiksen)首相は記者会見で、トランプ氏との会談を要請したが、トランプ氏の就任式前には会わないと述べた。

さらに、Axios(アメリカのニュースサイト)は11日、2人の情報筋の話として、デンマークがトランプ氏陣営に私的なメッセージを送り、グリーンランドの安全保障強化や米国の軍事プレゼンス増強について、議論する用意があるが、米国が同島の主権を主張しないことを条件としていると報じた。

Axiosの報道によると、デンマーク政府はトランプ氏に対し、グリーンランドの安全保障に関する懸念は、グリーンランドの所有権を主張せずとも解決できると説得したいと考えているという。

1月8日、次期トランプ政権の国家安全保障顧問マイク・ウォルツ(Mike Waltz)氏はフォックスニュースに対し、グリーンランドはアメリカの国家安全保障にとって極めて重要であり、それは豊富な鉱物資源や天然資源だけでなく、北極海を横断する北極海航路があるためで、アメリカはこれらの航路の安全を確保する必要があると述べた。

彼は「極地の氷床が後退するにつれ、中国(中国共産党)も砕氷船の建造を加速させ、北へ進出しています。これは石油や天然ガスに関わることです。これは我々の国家安全保障なのです」と語った。

デンマークはこれまで、グリーンランドは売り物ではないと表明している。

ウォルツ氏は、デンマークは米国の同盟国だが、グリーンランドを「辺境」として扱うべきではないと述べた。地理的に見て、グリーンランドは西半球に位置しており、過去に何人かの米国大統領がこの群島を西半球に組み入れようとしたことがあると指摘した。

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