昨年末以来、世界各国で鳥インフルエンザが発生している。中国でも例外ではない。
しかし、中国では一部地域で「鳥インフルエンザのヒトへの大規模感染」が起きているとの情報が入ってきた。
山西省では「鳥インフルエンザA(H5N1)による感染者は2千人、死者300人」と防疫関係者がその深刻な状況を明かしている。
「鳥インフルエンザによる死亡率は68%で、中国国内の複数の省に隔離区域が設置されている」ことがエポックタイムズによる防疫関係者への取材でわかった。
「デマ」と真実
今年は新年早々、「公衆衛生上のリスク」という理由で、上海市は全市で「生きた家禽類の取引」を3年間禁止すると発表した。
「上海で深刻な鳥インフルエンザが発生したのではないか? ヒトに大規模感染する事態が起きたのではないか?」と不安が広がっているが、中国の官製メディアは外国での感染状況の深刻さは大々的に報じているが、自国の状況に関してはほとんど触れていない。
中国では新型コロナから鳥インフルまで、感染症関係の話をすると、すぐさま当局によって「デマ」と決めつけられかねない。たとえ口に出して言えなくても、ネットに書き込むことを許されなくても、人々は明らかに異変を感じ取っている。
2019年からはじまった新型コロナの感染流行の拡大の時も、中国共産党(中共)は、当初、新型コロナウイルスに関して「ヒトからヒトへの感染は確認されていない」と発表し、重大な事態が発生しても、事実を隠蔽し、国民には真実に触れさせないようにしてきた。
そうした中、中共当局は事態の深刻さを訴えていた李文亮医師の発言を封殺した。李文亮医師はその後、新型コロナで死亡することになったが、世界中の人々が、真実を公開した李医師の勇気を称えている。
3年に及んだ厳しいロックダウン政策「ゼロコロナ」を経験した中国の人々はもう気づいている。地獄のような体験から中国人が得た「血の教訓」の1つが、「当局のいうデマだといっている噂は往々にして真実だ」ということだ。
そして政権安定しか眼中にない中国共産党は国民の生命など気にもかけないことはこれまでの無数の事例が証明している。
元医師の中国出身の時事評論家・唐靖遠氏は「中共の内部闘争は非常に激しい、それに今は経済が崩壊の瀬戸際という極めて敏感な時期にあるため、中国国内の感染状況がどんなに深刻な事態になったとしても、中共当局の実態公表を期待しないでほしい」と指摘している。

ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。