マスク氏が連邦職員へ送った業務確認メールが物議 一部機関は返信不要と指示

2025/02/24 更新: 2025/02/24

政府効率化省(DOGE)を率いるマスク氏は、2月23日、連邦職員に対して過去1週間の成果を報告するよう求めるメールを送ったのは、働いていない人々による詐欺を排除するためだと述べた。

数十万人の連邦職員に対し、このメールに約48時間以内に返信するよう求められた。返信の期限は現地時間2月24日午後11時59分とされているが、マスク氏が別の投稿で警告していた内容はメールには記載されていなかった。

マスク氏はXに「返信しない場合は辞職とみなされる」と投稿していた。

翌23日朝、同氏は「この件が重要なのは、本来政府で働くべき人々の中に、ほとんど仕事をしておらず、メールすらチェックしていない者が相当数いるからだ!」と投稿し、自らのメールに関する投稿に反応した。

さらに、「場合によっては、実在しない人物や、すでに亡くなった人の身元が悪用され、給与を受け取っている可能性がある」と指摘し、「つまり、これは明らかな詐欺行為だ」と述べた。

同日早朝には、マスク氏は「優れた回答をした職員は昇進の可能性がある」とも発言した。

政府機関の対応

人事管理局の報道官マクローリン・ピノバー氏は、マスク氏の指示を認めつつ、今後の対応は各機関の判断に委ねられると述べた。

一方で、2月22日夜には、連邦裁判所の関係者が職員に対し、このメールには返信しないよう指示を出した。

「一部の判事や司法職員に対し、過去1週間の成果を5つ報告するよう求めるメールが送られたことを把握している。しかし、このメールは司法機関や行政事務局から発信されたものではなく、対応は不要だ」と裁判所関係者は通知した。

また、一部の政府機関も職員に対し、マスク氏のメールに従う必要はないと伝えている。

ティボル・ナジ国務次官代理のメールによると、「国務省が省全体を代表して回答する。職員個人が上司の指示なく報告する義務はない」としている。

背景と反発

トランプ政権が1月20日に発足して以来、多くの政府職員が解雇され、他の職員も退職金を受け取って退職している。これらの人員削減の一環として、トランプ大統領が大統領令で設立したDOGEは、政府内の不正や無駄を排除することを目的としている。

しかし、連邦職員組合の一部からは強い反発が出ている。
アメリカ政府職員連盟のエベレット・ケリー会長は、今回のメール送信について「トランプ氏とマスク氏による連邦職員に対する完全な侮蔑の表れだ」と批判し、組合としてこの命令に対抗すると表明した。

同氏は2月22日の声明で「軍を退役し、公務員として再び国に仕えている何十万人もの退役軍人に対し、自らの職務を証明するよう強いるのは、冷酷かつ侮辱的だ。公務に1時間たりとも従事したことのない、選挙で選ばれてもいない億万長者にこんな扱いを受ける筋合いはない」と述べた。

また、AFGEは「不当な解雇に対して法的措置を取る」としている。

訴訟と裁判所の対応

これまでに、DOGEやマスク氏による政府職員削減や特定のプログラム廃止に関して、トランプ政権に対し多数の訴訟が提起されている。

しかし、最近ではトランプ政権側に有利な判決も出ている。18日、米連邦地裁のタニヤ・チュトカン判事が、DOGEによる政府データへのアクセスを即時差し止めることを求めた訴えを却下した。

大紀元は2月23日、人事管理局にコメントを求めている。

ニューヨークを拠点とするエポック タイムズの速報記者。