備蓄米15万トン放出 3月下旬にも店頭に並ぶ見込み

2025/03/03 更新: 2025/03/03

農水省は3月3日、コメの流通を円滑化するため、政府備蓄米の放出に向けた初回の入札を3月10日から12日にかけて実施すると発表した。対象となるのは、2024年産の10万トンと2023年産の5万トンを合わせた計15万トンであり、落札した集荷業者に売り渡される。コメは3月下旬にもスーパーなどの店頭に並ぶ見込みだ。

放出される備蓄米には、はえぬき、ひとめぼれ、あきたこまちなど41品種が含まれる。今回の備蓄米放出は、コメ価格の高騰を受けたものであり、流通の円滑化を目的とした政府備蓄米の放出は初めてとなる。

農水省のデータによると、2月10~16日の全国スーパーでのコメの平均価格は5キロあたり3892円であり、7週連続の値上がりとなった。昨年2月の約2千円と比較すると、90%以上の上昇だった。

政府は、備蓄米の放出がコメ価格の下落につながるかどうかを注視している。農林水産省は、集荷業者に対し、販売数量や価格の報告を義務付けており、市場の動向を監視する方針である。

放出された備蓄米は、原則として1年以内に同量の米を買い戻すことが条件とされているが、流通の改善が見られない場合は、買い戻し期限が延長される可能性がある。今後の入札や追加の備蓄米放出の時期は、流通状況や市場動向を踏まえて決定される予定である。

清川茜
エポックタイムズ記者。経済、金融と社会問題について執筆している。大学では日本語と経営学を専攻。
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