頼総統 日華議員懇談会の古屋会長に感謝 「台湾」表記実現への貢献を称賛

2025/03/18 更新: 2025/03/18

台湾の頼清徳(らい せいとく)総統は3月17日、日華議員懇談会(日華懇)会長の古屋圭司衆議院議員、山本順三参議院議員、平沼正二郎衆議院議員、「日本台湾交流協会」台北事務所の片山和之代表らと会談した。台湾と日本の防衛・経済協力の強化に加え、日本政府の「台湾」表記決定について感謝の意を示した。

頼総統は、台湾と日本は「第一列島線」の重要な防衛ラインを担っており、価値観を共有する国々と連携し、地域と世界の民主主義、平和、繁栄の促進に努めるとの考えを示した。

頼氏は、日本の国会が開会中にもかかわらず、訪問団が困難を乗り越えて台湾を訪れ、「玉山フォーラム」に出席し講演を行ったことに感謝の意を表した。同フォーラムでは、インド太平洋地域の重要課題について貴重な提言を行い、日本の国会が台湾を支持する立場を改めて示したと評価した。

特に、古屋会長がフォーラムの中で台湾語で「台湾有事は日本有事」と強調したことは、大変心強いものだったという。

3月17日、中華民国の頼清徳総統が日華議員懇談会の古屋圭司会長と握手 (中華民国総統府)

日華議員懇談会の貢献を称賛 日台関係の深化に期待

頼総統は、古屋会長のリーダーシップの下、日華議員懇談会(日華懇)が近年、日台関係の強化に尽力してきたことを高く評価した。

具体的には、毎年WHOと、「包括的および先進的な環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP)」への台湾の参加を支持する決議を採択していることを挙げた。さらに、日華懇内部に設置された「CPTPP」「女性議員交流」「地方交流促進」「台湾関係法調査」の4つのグループを通じて、テーマごとに日台関係を深める取り組みを進めていることにも言及した。

日本の「国籍・地域」欄の台湾表記を歓迎

また、日華懇の長年の支援により、法務省が今年5月から、日本在住の台湾人が住民票の「国籍・地域」欄に「台湾」と記載できるようにする方針を発表したことに謝意を示した。

これは日台友好関係の象徴であり、日本の議員たちが継続的に行動を通じて台湾を支援していることに、台湾の人々は深く感謝していると述べた。

半導体、AI、エネルギー分野での協力強化へ

古屋氏は玉山フォーラムでの演説において、今後、台湾と日本が産業分野で幅広い協力を進めていくことができると指摘した。

これに対し、頼氏も同意を示し、「台湾と日本は、半導体、エネルギー、AI、ドローンなど、経済安全保障やサプライチェーンの強靭性に関わる分野を含め、今後も協力を深めていき、双方にとっての利益を生み出すことができる」と述べた。

台湾と日本の協力関係が今後も強化されることに期待が高まっている。

頼清徳総統、「権威主義国家が結束を強めるほど、民主国家はより団結すべき」

頼総統は、「権威主義国家が結束を強めるほど、民主国家はより一層団結しなければならない」と強調した。

また、台湾と日本は「第一列島線」における重要な防衛ラインを共有しており、台湾は経済力の強化と自衛力の向上に努めるとともに、日本など価値観を共有する国々と連携し、地域および世界の民主主義、平和、繁栄を推進していくと述べた。

さらに、「皆さんは台湾の良き友人であり、台湾を深く理解している。今後も共に努力し、日台関係をさらに発展させていきたい」と期待を示した。

古屋会長「頼氏の強いリーダーシップに期待」

古屋氏は演説で「昨年、日本、台湾、そして世界各国の指導者が交代し、国際情勢も一層不安定になった。今後数年の展開は予測できない状況だ。その中で、頼氏の力強いリーダーシップに大いに期待している」と語った。

また、外交や安全保障だけでなく、日台間の経済協力の重要性にも言及し、「特に新技術分野において、玉山フォーラムで詳しく説明した」と述べた。その具体例として、台湾の半導体大手TSMCが熊本に工場を設立したことにより、活発な経済活動と繁栄が生まれていると指摘した。

さらに、サイバー攻撃への対応やサプライチェーンの強化といった課題についても、日台協力の重要性を強調した。

「台湾を『台湾』と表記することは人権の尊重」

古屋氏は、頼総統の演説に触れ、今年5月から日本在住の台湾人が住民票の「国籍」欄に「台湾」と記載できるようになることを取り上げた。

これについて、「これは外交問題ではなく、台湾人の人権に関わる問題であり、台湾への敬意を示す最良の方法だ」と述べた。

また、日華懇は台湾との関係を強化するために4つの研究グループを設立しており、今後も積極的に推進していくとともに、民主主義の発展や台湾海峡の平和維持に向け、台湾と緊密に協力していく」との考えを示した。

「日本の修学旅行先に台湾を」

「昨年、日台間の相互訪問者数は過去最高を記録した。今後は地方交流をさらに推進するとともに、日本の中学生や高校生の修学旅行先として台湾をより多く選んでもらいたい」と古屋氏は提案した。

「台湾を訪れた学生は、きっと台湾のファンになるはずだ」と述べ、若い世代の交流が日台関係のさらなる発展につながるとの期待を示した。

 

鍾元
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