アメリカのEVメーカー・テスラのCEOで、ホワイトハウスの特別顧問を務めるイーロン・マスク氏が、自身の政府内の役職が、テスラの株価に悪影響を及ぼしていると語った。
2025年1月、マスク氏は、トランプ氏の大統領令により新設された政府効率省に関わり、DOGEと呼ばれ、連邦政府の無駄遣いや非効率の是正を目的とし、支出削減や職員削減を進めた。
この政策には、全米で反発の声が上がっており、全米各地のテスラ販売店や充電施設で大規模な抗議活動が起きている。これまでに3人が、テスラの車両や施設に対する破壊行為を行ったとして、連邦当局により起訴された。
フォーブスによると、マスク氏の財産は推定約3300億ドル(約49兆円)に上り、その大半がテスラ株に連動する。3月31日にウィスコンシン州グリーンベイで行われた日曜の意見交換会では、テスラ株の下落に触れるとともに、署名に協力した2人に各100万ドルの小切手を贈った。
マスク氏は、
「彼ら(抗議者や破壊行為を行う者)は、私やテスラに対して強い圧力をかけ、活動をやめさせようとしているようだ」
と語った上で、
「私の保有するテスラ株も、テスラ株を持っているすべての人の株も、おおよそ半分にまで下がってしまった。これは深刻な問題だ」
と、述べた。
また、
「長期的にはテスラ株は順調に回復すると考えているので、今は買いのチャンスかもしれない」
と、発言した。
トランプ政権での自身の役職について、マスク氏は、
「要するに、これは非常にコストのかかる仕事なんだ」
と述べ、政府の役職が自身のビジネスにもたらす影響の大きさを改めて強調した。
テスラ株は年初から約31%下落しており、2024年末の高値と比べてほぼ半減。一方で、過去1年間で見ると約48%の上昇を記録している。
DOGEに対する反発は、アメリカ国内だけでなく、ヨーロッパなど海外にも広がっている。スウェーデンでは複数の都市で、テスラの店舗や車両に対する損壊事件が発生し、警察が複数の関係者を拘束した。
また、ミシガン州ロームでは先週末、テスラの販売店で火災が発生し、少なくとも17台の車両が焼失。マスク氏は翌日、自身のXで「テロ攻撃だ」と非難した。
こうした事態を受け、司法省は今月、テスラの施設や車両への放火未遂の疑いで3人を逮捕。FBIも声明を出し、テスラ関連施設周辺での破壊行為への警戒を呼びかけている。
一方、DOGEが進める政府機関の改革についても、司法の場で対立が続いている。裁判所は、DOGEが一部の連邦機関から個人情報を取得することに対し、プライバシーの懸念を理由に差し止め命令を出している。しかし、先週には、控訴裁判所が一部の業務継続を認める判断を下した。
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