トランプ大統領の2期目100日を目前に控えた時点で、最新の世論調査により「アメリカを再び偉大にする(Make America Great Again、MAGA)」運動の支持が、全米で36%に達した。共和党内では71%がMAGAに賛同し、同運動が党の主流となった。トランプ氏の影響力がアメリカ政治に大きな変化をもたらしたのだ。
本調査はNBCニュースの委託により、3月7~11日にかけて電話とSMSを用いたオンラインアンケート形式で実施した。有権者1千人を対象とし、誤差範囲は±3.1ポイントであった。
調査結果によれば、全米の有権者の36%が自らをMAGA支持者と認識しており、これは2023年の23%、2024年初頭の27%を大きく上回る。年を追うごとに支持が拡大している状況である。
とりわけ、共和党支持者の71%がMAGAの理念に賛同しており、党内での主導的立場を確立していた。
NBCによる分析では、MAGA支持率の上昇は、トランプ氏が2024年の予備選でリードを保ったことと密接に関連している。2024年1月、トランプ氏がアイオワ州およびニューハンプシャー州で連勝した後、MAGA支持者の割合は20%から10月・11月には29%に上昇し、2025年3月にはさらに新たな高水準を記録した。
共和党内では、選挙前の時点で、MAGA支持者と自認する者は55%にとどまっていたが、2025年3月には71%に上昇し、トランプ氏が党の方向性に対して、一層強い影響力を持つようになったことが明らかになった。
また、これまでトランプ氏に対して慎重な立場を取っていた層の間でも変化が生じた。大学卒の学歴を持つ男性におけるMAGA支持率は、2024年の21%から最近の調査では37%にまで上昇した。
MAGA運動の拡大は、トランプ氏の個人的な支持率にも影響を及ぼした。今回の調査では、トランプ氏の政権運営に対する満足度が47%に達し、過去最高を記録した。
共和党の世論調査専門家ビル・マッキンダー(Bill McInturff)氏は、「過去14か月でMAGAに賛同する共和党員は40%から71%に増加した。この動きは単なる支持率の変化ではなく、党内の構造的変化を示している」と分析している。
MAGA運動は、トランプ氏が2016年の大統領選出馬時に掲げた選挙スローガンであり、当初は経済再建や国境管理の強化を目指す内容であった。
その後、トランプ氏は2度の大統領選に挑戦し、2024年の再選を経て、MAGAは、強力な動員力と影響力を有する政治理念へと進化した。共和党の方針を再構築するだけでなく、アメリカ全体の政治構造にも深い影響を及ぼしている。
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