気象庁は7月4日、東海地方が梅雨明けしたと発表した。平年より15日早く、昨年より14日早い梅雨明けは、統計開始以来3番目の早さである。梅雨期間が短く、降水量が平年より少ない「空梅雨」となったことで、農業関係者やSNS上で、米の生育への悪影響を心配する声が上がっている。
気象庁によると、東海地方は6月9日に梅雨入りし、平年より3日遅かった。梅雨期間は約25日間で、平年の約40日に比べ短い。降水量は平年比で80~90%と少なく、6月17日、岐阜県多治見市では37.6℃という猛暑が続いたことで、ダムや河川の水位が低下しているという。
農林水産省の報告では、米は7~8月の出穂期に多くの水を必要とし、水不足は穂の数を減らし、米の品質を下げる白濁米を増やす要因となる。2023年の東日本では、梅雨明け後の水不足で収量が20%減少し、一等米の比率が50%に低下した事例が報告されている。
SNSを上では東海地方の米農家は、灌漑用水の確保が課題だと指摘する。愛知県の農家は「ダムの水が減り、田んぼに水を引くのが難しい。稲が弱るかもしれない」というコメントがあがっている。
また「東海の梅雨明けが早すぎる。米の収穫が心配だ」「水不足で不作になれば、米不足がさらに悪化する」といった心配する声が投稿されている。これに対し、農林水産省は「現時点で大きな影響は確認されていないが、高温と少雨の継続はリスク」との見解を示している。
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