トランプ大統領 連邦建築の古典主義標準化を大統領令で推進

2025/08/29 更新: 2025/08/29

トランプ大統領は8月28日、「連邦建築を再び美しくする(Making Federal Architecture Beautiful Again)」と題した大統領令に署名し、連邦建築の標準デザインとして古典主義様式を採用する方針を明らかにした。

この大統領令では、政府職員がブルータリズム(粗野主義)やデコンストラクティビズム(脱構築主義建築)など、現代的な建築様式で連邦建築の計画を進める場合には、30日前までに大統領へ報告することが義務付けられている。命令はこうした現代建築様式を好ましくないものとし、今後多くの連邦建築プロジェクトで採用しない方針を示した。

大統領令には次のように記されている。

「連邦の公共建築は、公共空間の質を高め、美しく保ち、人々に感動を与え、アメリカの威厳を示し、国民の尊敬を集めるものでなければならない。公共建築であることが一目で分かるよう配慮し、必要に応じて地域の建築伝統の尊重が求められる」

さらに「ワシントンD.C.では、連邦公共建築の標準様式として古典主義を優先し、特別な事情がない限り他の様式は認めない」と明記した。

ホワイトハウスの説明資料では「多くの国民は、古典的かつ地域色を生かした公共建築を求めており、そうした建築が公共空間を美しくする。政府は国民の好みに配慮すべきだ」と強調している。

トランプ氏は大統領1期目から同様の政策を進めていたが、バイデン前大統領は就任直後にこの方針を撤回した。トランプ氏は再び大統領選に出馬する中で、2023年には「醜悪な建物を撤去し、アメリカ建築を西洋文明の壮大な古典主義へと戻す」と発言している。

長年不動産業界に携わってきたトランプ氏は、現在2期目の大統領任期中もホワイトハウスの美観改修を進めるとともに、他の連邦建築についても改修計画を提案している。

トランプ大統領はホワイトハウスのローズガーデンから芝生を取り除き、白い石板を敷き詰めてテラスを整備し、テーブルや椅子、日よけのパラソルを設置した。このデザインはフロリダ州のマール・ア・ラーゴ・クラブに似たものとしている。

また、ホワイトハウスの両脇には大型の旗竿を2本新たに設置した。7月末には、ホワイトハウス敷地内に総工費約2億ドルの大規模な宴会場を新設する計画を発表した。資金は納税者には依存せず、トランプ氏自身や寄付者が負担する方針だ。

李馨