米印関税が50%から15%へ  インドはロシア産原油輸入を大幅削減へ

2025/10/24 更新: 2025/10/24

アメリカとインドは、大規模な貿易協定の締結に向けて交渉を進めており、両国間の関税率が現行の50%から15%に引き下げられる見通しだ。トランプ大統領は、両国が「非常に素晴らしい協定」を推進していると述べ、インドのモディ首相がロシアからの原油輸入を大幅に削減することで合意したと明らかにした。この協定は、早ければ来週開催されるASEAN首脳会議で発表される可能性がある。

トランプ大統領は、「私はインドの人々を愛している。私たちは今、両国間でいくつかの素晴らしい合意をまとめつつある」と語った。

インドとアメリカによる貿易協定の交渉は、広範かつ深いレベルで進められている。インドの経済紙「ミント(Mint)」は関係筋の話として、この二国間協定により、インドからアメリカに輸出される商品の関税率が、現在の50%から15%へと大幅に引き下げられる見込みだと報じた。

現在、インドは高率の関税に直面している。これは、アメリカが今年4月初めに発表した25%の報復関税に加え、インドがロシア産原油を購入したことに対して課された25%の懲罰的関税によるものだ。

事情に詳しい関係者によると、エネルギーおよび農業分野がインド側にとって最大の交渉カードになっているとしている。トランプ大統領は21日、モディ首相と電話会談を行い、モディ首相がロシアからの原油輸入量を引き続き減らしていくことに同意したと明らかにした。

トランプ大統領は、「彼(モディ氏)は私と同じく、戦争の終結を望んでいる。停戦を望んでおり、そして知っているように、インドは現在あまり多くのロシア産原油を購入していない。すでに輸入量を大幅に削減しており、今後も削減を続けていく」と述べた。

さらにインドは、アメリカ産のトウモロコシやソイミール(大豆ミート)を国内市場により多く受け入れることを検討している。中国によるアメリカ産トウモロコシの購買額は、2022年の52億ドルから2024年には3億3100万ドルへと急減しており、アメリカのトウモロコシ輸出総額も大幅に減少している。そのため、アメリカは現在、新たな輸出先の確保を急いでいる状況だ。

関係者によると、米印貿易協定は11月、もしくは早ければ10月末のASEAN首脳会議で発表される可能性があるとしている。

トランプ大統領はホワイトハウスでの演説の中で、米印両国の良好な関係を強調した。また、インドの祭典「ディワリ(光の祭り)」に合わせて特別な祝賀式典を開催した。モディ首相は自身のSNSでトランプ大統領からの電話に謝意を示し、「アメリカとインドという二つの偉大な民主主義国家が、今後も世界に希望の光をもたらし続けることを願う」とコメントしている。

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