仏リヨンで武装グループが金塊強奪 爆発で5人軽傷 容疑者5人逮捕

2025/10/31 更新: 2025/10/31

フランス東部リヨンの金精錬研究所で、銃と爆発物を使った強盗事件が発生し、従業員5人が軽傷を負った。警察は武装していた容疑者5人全員を逮捕し、奪われた金塊をすべて回収した。

複数のフランスメディアによると、事件は現地時間10月30日午後1時30分ごろ、リヨン第7区のパルク・ダルティルリー大通り近くにあるプルケリ研究所(Laboratoires Pourquery)で発生。
偽の警察腕章をつけた覆面の男らが長銃を所持し、爆発物で窓を破壊して施設内に侵入。貴金属を奪い、車で逃走したという。

事件を受け、フランス国家警察(フランス警察治安介入部BRI)が速やかに追跡を開始し、近郊で逃走車両を包囲。容疑者5人を拘束し、総額約1200万ユーロ(約19億円)相当の金塊を押収した。

SNS上には現場近くの住民が撮影した映像が出回っている。

激しい爆発音とともに外壁が破損し、建物の前には青色警光灯を取り付けた白いバンが停まっていた。
映像には、3人の武装犯が建物から飛び出す様子が映り、1人はオレンジ色の腕章とキャップを着用。
別の覆面の男は仲間が用意したはしごを使って鉄柵を越え逃走していた。別角度の映像では、突撃銃を持った犯人が車の後部ドアを開け、共犯者が黒いスーツケースを積み込む姿も確認できる。

現場からは通報する声も記録されており、警察は複数のパトロール隊とリヨンBRIを出動させた。第ジョンBRIや国家特勤部隊も支援に加わり、科学捜査班が現場で証拠の収集も行っている。

従業員28人中5人が軽傷

消防当局によると、事件当時研究所には28人の従業員が勤務しており、このうち5人が爆発で軽傷を負った。3人は健康状態の確認のため病院に搬送されたという。

検察当局は捜査を司法警察局に委任。逮捕された5人の容疑者は拘留され、取り調べを受けている。

ルーヴル「世紀の大盗難」に続く衝撃

この事件の直前、パリのルーヴル美術館では「世紀の大盗難」と呼ばれる大規模な窃盗事件が発生した。

複数の窃盗団がわずか数分で、アポロン・ギャラリー(Galerie d’Apollon)に展示されていたフランス王室ゆかりの宝飾品8点を盗み出した。

被害総額は約8800万ユーロ(約155億円)に上るとされる。警察はこれまでに7人を逮捕したが、依然として7点の宝飾品が行方不明のままだという。

 

張雨霏
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