米連邦当局は24日月曜日、テネシー州メンフィスでの2か月間にわたる犯罪取締り作戦の一環として、数千人を逮捕したと発表した。
ドナルド・トランプ大統領は9月中旬に署名した覚書で、メンフィス・セーフ・タスクフォース(Memphis Safe Task Force)の設立を命じ、市内の暴力犯罪を重点的に取り締まるよう指示した。メンフィスは2024年時点で主要米都市の中で最も高い暴力犯罪率を記録していた。
11月24日にメンフィスで開かれた記者会見で、パム・ボンディ司法長官は、これまでに3,100人を超える逮捕が行われ、121人の行方不明児童が発見されたと発表した。さらに、少なくとも500丁の違法銃器が押収されたという。州および地方当局もこの発表に同席した。
テネシー州のビル・リー知事は会見で、「殺人率は半減し、メンフィスの犯罪率は過去20年間で最も低い水準にある」と述べた。
ボンディ氏によると、殺人事件は約48%減少、性的暴行は49%減少、強盗は61%減少した。これは昨年同期間と比較した数字であり、主要犯罪全体としては45%減少しているという。「メンフィスの人々は安全である権利を持っている」と同氏は語った。
トランプ大統領は9月、ホワイトハウスの執務室で記者団に対し、メンフィスに州兵を派遣し、特別タスクフォースに加える方針を示していた。この部隊には連邦捜査局(FBI)、麻薬取締局(DEA)、移民・関税執行局(ICE)、および連邦保安局(U.S. Marshals Service)などの各機関の職員も参加している。
トランプ氏はメンフィス作戦に署名した際、「このタスクフォースは、我々がワシントンD.C.で行った非常に成功した取り組みの再現になるだろう」と述べ、「ここメンフィスでの数字は非常に深刻だ」と強調した。
今回の作戦はメンフィスとワシントンだけでなく、ロサンゼルス、シカゴ、その他いくつかの都市にも拡大しており、犯罪および不法移民対策の一環となっている。
防犯関連サイトのSafeHome.orgが分析したFBIのデータによると、メンフィスは2024年に人口10万人あたり40.6件の殺人発生率で、米国の主要都市の中で最も高かった。これはボルチモア(34.8件)やデトロイト(31.2件)を上回っている。
犯罪データ分析企業AH Datalyticsによれば、2018年から2024年にかけて、メンフィスでは殺人事件が33%、加重暴行(凶器を使った悪質な暴行)が41%増加した。一方で、同社のリアルタイム犯罪指数によると、今年最初の9か月間ですでに犯罪件数は20%減少しており、タスクフォースの活動開始前から改善傾向にあった。
2か月前に作戦が発表された際、メンフィス警察は、強盗、侵入、窃盗など主要犯罪の複数分野で、過去25年間で最低水準となったと発表した。殺人発生率も6年ぶりの低水準にあったという。
一方で、メンフィスの一部地方当局者は連邦タスクフォースの派遣を批判している。メンフィス市議会のJ・フォード・カナーレ議長は9月の声明で、市の公民権運動期における経験を引き合いに出し、「多くの市民にとって、『州兵』という言葉そのものが1968年の痛ましい記憶を呼び起こす」と述べた上で、この派遣は「せいぜい短期的な対策にすぎない」と指摘した。
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