中共が爆破予告で豪首相が公邸から避難 神韻の公演を妨害

2026/02/26 更新: 2026/02/26

2月24日、中国共産党(中共)による爆破予告を受け、アルバニージー豪首相は首都キャンベラの公邸から緊急避難した。ほかのオーストラリアの高官らも同様の脅迫を受けた。

今回の脅迫は、米ニューヨークに本部を置く世界最高峰の中国古典舞踊と音楽の芸術団「神韻芸術団」のオーストラリアでの公演を数日後に控えた時期に発生した。神韻は長年にわたり、中共による越境的な圧力の対象である。

神韻のオーストラリア巡回ツアーが2月25日の開幕直前、現地の主催者側に中国語の電子メールが複数届き、公演を中止しなければ「重大な結果を招く」といった脅迫文が書かれていた。大紀元が入手した一通には、「首相官邸周辺に爆薬を設置した」と虚偽の内容が記され、神韻公演が続行されれば爆発する可能性があると主張していた。

これを受け、アルバニージー首相は別の安全な場所へ移動。法執行機関が数時間にわたり公邸を捜索した。オーストラリア連邦警察の報道官は2月24日、「徹底的な捜索を実施したが、地域社会や公共の安全に対するいかなる脅威も確認されなかった」と述べた。詳細については適切な時期に公表するとしている。

神韻を狙った脅迫

主催者によれば、2月10日に受信した中国語のメールには「神韻公演を続行すれば、アンソニー・アルバニージーに何かが起きる」と記されていた。さらに、「アルバニージー首相および他のオーストラリア高官の身の安全が脅かされる」とも警告していた。

「代償を払えるなら構わない。後悔しないことだ」との文言も含まれていた。

2月22日付の2通目のメールは「神韻公演停止を提案」との件名で、「公邸に大量のニトログリセリンを設置した」と主張。「公演を強行すれば、公邸は血の海と化す廃墟になる」と脅した。

送信者名は、中国出身でアメリカ在住の評論家・陳破空氏を名乗っていた。同氏は1989年の天安門民主化運動に参加し、投獄後にアメリカへ亡命した。中共がこうした脅迫の際に外国当局者や反体制派を装う事例はこれまでにもあった。

2月24日、主催者はこれら2通の爆破をほのめかすメールをオーストラリア連邦警察に通報した。

海外でも類似の脅迫

数週間前にはイギリスや韓国、デンマークの指導者らにも類似の文面の脅迫が送られていたが、いずれも実際の事件には至っていない。

神韻芸術団は、共産主義以前の中国の伝統文化を復興することを目指し、法輪功に対する迫害を逃れて海外に渡ったアーティストらによって設立した。彼らの多くは法輪功学習者である。1999年以来、中共政権は法輪功学習者に対し恣意的拘束や拷問、強制労働、臓器収奪などの手段で迫害を敢行してきた。神韻は公演でこうした実態も描写している。

過去2年間、神韻は爆破予告やメールでの脅迫、メディアを通じた誹謗中傷など、中共による越境的な妨害行為を受けてきた。1月2日にはシドニーおよびメルボルンにある中国総領事館が声明を出し、オーストラリア市民に対し神韻公演を鑑賞しないよう呼びかけていた。

昨年3月9日、神韻世紀芸術団は豪シドニーのある劇場で公演を行い、満員の大盛況となった(陸明/大紀元)

昨年11月にはシドニーで、法輪功学習者に対する臓器収奪を扱ったドキュメンタリー映画の上映の妨害とみられる爆破予告が2件発生したが、事件には至らなかった。

「容認できない」 オーストラリア政界の反応

オーストラリアの政党「ワンネーション」バーナビー・ジョイス議員は、「オーストラリアにおいて、宗教的信念を実践する人々を脅迫する行為は、いかなる形であれ完全に容認できない」と強調した。

2025年12月21日、オーストラリアの政党「ワンネーション」のバーナビー・ジョイス議員、シドニーで開催された「オーストラリア・ファースト」集会で演説を行った  Getty Images

また、最大野党・自由党のアンガス・テイラー党首はXで、「首相が無事であることを喜ばしく思う。議員に対するいかなる脅迫も、特に議論によって意見の相違を解決する国家においては極めて忌まわしい」と投稿した。

豪連邦警察の元捜査官ポール・ジョンストーン氏は、今回のメールは海外から送信された可能性があると指摘。「『オーストラリア』という語の使い方が不自然で、典型的な豪州の文書表現とは一致しない」とし、差出人はオーストラリア人ではないと推察する。

同氏はまた、文面から中共軍や国家安全部に関連する宣伝ルートとの関連性も否定できないと示した。「北京は神韻を単なる文化団体ではなく、人権侵害を暴き体制の権威に挑戦する存在とみなしている」と語った。

越境弾圧の最新事例

ニューヨークに本部を置く「法輪大法情報センター」によれば、2024年3月以降、神韻に対する殺害・爆破予告は130件を超え、さらにアメリカにいる法輪功学習者を標的とする暴力的脅迫も数十件確認している。

昨年2月には、米ワシントンに位置するジョン・F・ケネディ・センター(現トランプ・ケネディ・センター)も神韻公演をめぐる爆破予告を受け、一時避難措置を取った。

神韻2026年オーストラリアツアーは2月25日から3月29日まで複数都市で開催の予定だ。長年にわたり、オーストラリア各都市で高い評価を受け、多くの観客や著名人から支持を得てきた。

Cindy Li
オーストラリアのエポックタイムズで、主に中国関連の記事を執筆します。
シドニー在住のエポックタイムズ記者。豪州の国内政治、新型コロナ対応、豪中関係などの国政問題を専門とする。
関連特集: 国際