中国人ビザ緩和 茂木外相「諸情勢見極め慎重に」 人的交流は「極めて重要」

2025/12/17 更新: 2025/12/17

茂木外務大臣は令和7年12月16日、外務省会見室にて行われた定例会見において、中国人向けの訪日査証(ビザ)発給緩和措置の検討状況について、引き続き慎重な姿勢を示した。

会見で日経新聞の記者は、中国人向け観光ビザ発給緩和措置が前任の大臣の発表から1年経過しても具体化していない現状を指摘した。その上で、茂木大臣が以前示していた「諸情勢を見極めながら慎重に検討している」という検討状況の現状を尋ねた。さらに記者は、日中関係が厳しい状況にある中でも、観光といったソフト面における両国の民間交流の重要性は変わらないとの認識を示し、この民間交流の重要性に対する茂木大臣の考えと所感を改めて問うた。

茂木大臣は、中国人向けビザ発給緩和措置に関する検討状況について、「先日も申し上げたとおり、諸情勢を見極めながら、慎重に検討しているところであります」と述べ、具体的な実施時期や内容についての明言を避けた。

一方で、日中間の人的交流の重要性に関する認識については、「これは極めて重要である」と強調し、人的交流を重視する姿勢を改めて示した。

当面は慎重姿勢継続か

前任大臣の発表から1年が経過しても具体的な実施に至っておらず、茂木大臣が繰り返し「諸情勢を見極めながら慎重に検討している」との姿勢を堅持していることから、中国人向けビザ発給緩和措置は、当面の間、具体的な進展が見られない可能性が高いと推測される。

ただし、大臣は日中間の人的交流の重要性を強く認識しているため、今後の国際情勢や日中間の政治的・経済的な状況の変化次第では、緩和に向けた検討が再び加速する余地は残されていると言える。現時点では、地政学的な要素を含む「諸情勢」の動向が、緩和措置実施のタイミングを左右する重要な要因となっているとみられる。

エポックタイムズの速報記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。
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