国連の「公海条約」は1月17日に正式発効した。中国共産党(中共)はこれに先立つ1月16日、条約事務局の設置を担う国として名乗りを上げ、厦門市を候補地として推薦し、すでに申請していたベルギーおよびチリと競合する形となった。
中国共産党が迅速に競争に乗り出したことは意外な事だと受け止められている。AFPは、この動きについて、中共政府が地球環境ガバナンスの分野でより大きな影響力を持つことを望んでいる姿勢を浮き彫りにするものだと指摘した。
公海は各国の排他的経済水域(EEZ)の外側、すなわち海岸線から最大200海里以遠に広がり、いずれの国家の管轄にも属さない。公海は地球表面のほぼ半分、海洋全体の60%以上を占めるが、環境保護は長年軽視されてきた。その結果、破壊的漁業、海運活動、プラスチック汚染、過剰漁獲、さらには将来的な深海採掘など、深刻な脅威に直面している。
「公海条約」は、こうした行為を規制することを目的としている。同条約は昨年9月に60か国の批准を得て発効要件を満たし、その120日後に正式発効した。1月16日時点で83か国が批准しており、最近では中国や日本といった主要な海洋国家も加わった。一方、米国は批准国には含まれていない。
米国警告 中国の遠洋漁船団が国際海洋秩序を脅かす
中共が「公海条約」事務局の誘致を争う前日の1月15日、米国下院の2つの委員会は、中国の大規模な遠洋漁船団が国際海洋秩序に脅威を与えているとする調査報告書を共同で公表した。
この報告書は、下院中国問題特別委員会と、下院国土安全保障委員会の交通・海事安全小委員会が発表したもので、題名は「中国の世界的漁業攻勢(China’s Global Fishing Offensive)」だ。
報告書は、中国が違法・無報告・無規制(IUU)漁業の世界最大の実行主体であり、漁業力を通じて世界各地で影響力を行使していると指摘している。
同報告書によれば、中国は現在、世界最大規模の遠洋漁船団を保有しており、その船舶数は最大で1万6千隻に上る。活動海域はアフリカ、ラテンアメリカ、南太平洋、インド洋など広範囲に及ぶ。中共は、これらの漁船団を国家主導の手段として用い、他国への威圧、漁業資源の枯渇、さらには水産物の加工・流通に対する支配力の強化を図っているとされている。
報告書はまた、中国漁船団に関連する広範な環境破壊や人権侵害の事例も記録しており、漁船上での強制労働や海洋生態系の破壊などが指摘されている。
さらに報告書は、中国の漁船が情報収集にも利用され、周辺海域では海上民兵組織の一部として軍の指揮下で活動していると指摘している。
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