【禁聞】中露電力協力が一時停止 専門家が両国関係の不確実性を分析

2026/01/19 更新: 2026/01/19

中ロ間の電力供給契約は2037年まで有効とされているが、中国は1月1日以降、ロシアからの電力購入を全面的に停止し、契約で定められた最低購入量の取得も拒否している。学識者の間では、今回の動きは両国関係の脆弱性と、将来の協力に内在する不確実性を映し出しているとの見方が出ている。

ロシアのコメルサント紙は1月16日、ロシア側が中国向けの電力供給を中断し、価格の再交渉を求めていると報じた。ロシア・エネルギー省は、当面はロシア極東地域の電力需要を優先して満たすとした上で、双方が互恵的な条件で合意できれば、中国への供給を再開する可能性があるとしている。

現在、ロシア極東地域の「単一電力価格」は1メガワット時当たり4300ルーブルと、前年同期比で42%以上上昇している。一方、中国国内の電力価格は同3900ルーブルにとどまっており、中国側はこの価格差を背景に、契約で定められた最低購入量120メガワットの履行を一時停止した。

ロシア国際電力会社(Inter RAO)は、中国側との長期契約は依然として有効であり、双方ともに契約を終了させる計画はないとしている。

台湾・南華大学アジア太平洋研究所の孫国祥所長は、今回の動きについて「時期が極めて敏感で、西側制裁やベネズエラ、イラン情勢の不安定化によるエネルギーと地政学の再編が進む中で起きている」と指摘し、ロシアと中国の「無制限のパートナーシップ」に摩擦の兆しが見られれば、国際社会の強い関心を集めると述べた。

孫国祥所長はまた、国際情勢を背景に、中国共産党が中期的にロシアの石油、天然ガス、電力供給への依存を強めていると分析している。これによりロシアはエネルギーを交渉上のてことしての役割を強化する一方、ロシア自身も中国の需要や資金調達への依存を深めているが、その相互依存関係は対称的ではないとしている。

ロシアによる対中電力供給の中断は価格問題にとどまらず、利益配分をめぐる激しい駆け引きを反映しており、買い手である中国共産党政府が主導権を握る一方、制裁圧力下のモスクワはより高い長期的収益を確保しようとしているという。

さらに孫国祥所長は、中国の電力価格が相対的に低い背景として、国内需要の低迷や産業の過剰生産能力を挙げ、大幅な値上げが難しい状況にあることに加え、景気の弱さが低価格維持の圧力を強めていると分析している。

中ロの電力協力は1992年に始まり、同年7月には110キロボルトの送電線が正式に稼働した。2012年4月までに500キロボルトの送電線3本が完成し、年間送電能力は70億キロワット時に達した。

2012年には両国が25年間の電力購入契約を締結し、2037年までに合計1千億キロワット時を供給することが定められた。その後、ロシアから中国への電力輸出は増加を続け、2021年には中国東北部向けに39億7千万キロワット時、2022年には47億キロワット時と過去最高を記録した。

しかし、2023年後半以降、ロシア極東地域の電力需要が年率4%超で増加し、電力不足が生じた。2023年10月には、新たな輸出関税の発効を受け、ロシア国際電力会社が対中供給を制限し、電力価格の7%引き上げを要求した。顧客が受け入れない場合は供給を制限または停止するとした結果、ロシアから中国への電力輸出量は2025年の最初の11か月で3億キロワット時にとどまり、前年同期比で63%以上減少した。

台湾国防安全研究院の沈明室研究員は、中国の低い電力価格について、中央政府や地方政府の財政逼迫が背景にあり、値下げ交渉を迫られる状況にあると分析する一方、ロシアが供給停止という手段を取ったことは極端だとの見方を示した。その上で沈明室研究員は「ロシアは圧力をかけて収益を拡大しようとしており、情勢次第では中国に不利な行動を取る可能性もある」と述べた。

沈明室研究員はさらに、米国が中国に対して高関税政策を維持する中で、ロシアが頻繁に供給停止やエネルギー削減に踏み切れば、中国経済への影響は非常に大きくなると指摘している。

最近、国際原油価格は1バレル当たり6ドル上昇し、66ドルを超えた。ゴールドマン・サックスは、世界の原油市場がすでにイランからの供給70万バレル/日の途絶を織り込んでいるとの見解を示している。

ドナルド・トランプ大統領はベネズエラ暫定政府と合意し、同国の数百万バレルの原油を米国に移転する取り決めを結んだ。ドイチェ・ヴェレ(独国際放送)は、この合意が中国とキューバに特に大きな打撃を与える可能性があると報じている。

ベネズエラ産原油の約80%は中国向けで、中国全体の石油供給の約4%を占める。一方、イランからの石油輸入は中国の供給量の15%に相当する。

沈明室研究員は、イランとベネズエラのエネルギー供給が米国の管理下に置かれれば、中国は必然的にロシア産エネルギーへの需要と依存を強めると分析する。その場合、ロシアは中国向けの販売拡大で利益を得る一方、米露関係の動向次第では、中国に不利な立場を取る可能性も否定できないとしている。

沈明室研究員はまた、ロシア・ウクライナ戦争が解決しない限り、ロシアが直ちに米国側に転じることはないとしながらも、米国からの圧力を和らげるために、中共を犠牲にして米国と協力する可能性は排除できないと指摘している。中国の衰退は、結果的にロシアの利益にもかなうとの見方を示した。

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