中国共産党になびき始めた西側諸国 懸念される5つのリスク

2026/01/26 更新: 2026/01/26

西側陣営内部の対立が激化し、特にドナルド・トランプ氏が推進するグリーンランド支配構想が地政学的対立を引き起こす中で、英国やフランスなどの西側諸国は、米国からの圧力に対抗するため、中国共産党になびく明確な姿勢を見せている。

英国のキア・スターマー首相が訪中を控える中、英国政府は1月20日、中国がロンドンの王立造幣局旧跡地に欧州最大規模の大使館を建設する計画について、強い論争を呼びながらも正式に承認した。

フランスのエマニュエル・マクロン大統領も、ダボス会議で中国共産党との協力強化や、中国による欧州への投資拡大を歓迎する姿勢を示し、「欧州にはより多くの中国からの直接投資が必要だ」と公言した。

カナダのマーク・カーニー首相は最近中国を訪問し、中国共産党と一連の協力協定を締結した上で、いわゆる「世界の新秩序」を中国共産党と共に構築すると公に表明した。

こうした動きは、自由世界全体を、すでに極めて危険であることが証明された古い道へと再び押し戻すものであり、深刻な懸念を呼んでいる。著名な民主活動家である盛雪氏が警告するように、中国共産党への経済依存を再び受け入れても真の回復はもたらされず、政治、安全保障、産業、価値の各側面において、欧州自身の独立性とリスク耐性を全面的に弱体化させるだけである。歴史は繰り返し、中国共産党への依存が中立的な経済選択ではなく、戦略的な自己武装解除であることを示してきた。

筆者は、西側諸国が「対中経済依存」を米国への対抗手段として用いることには、少なくとも次の五つの大きなリスクがあると考える。

一 経済面「デリスキング」から「再結合」への転落

過去数年、欧米の公式言説は「デリスキング」を繰り返し強調してきた。しかし、英仏など西側諸国の現在の政策選択は、その逆方向へ進んでいる。すなわち、中国共産党への依存を減らすのではなく、より隠蔽され、より高次元の形で関係を再び結び付けている。

中国から西側諸国への投資は、重要インフラ、金融の要衝、都市の中枢地帯(大使館、港湾、エネルギー、ハイテク園区など)に集中する傾向があり、そのリスクは貿易赤字ではなく、中国共産党が不可逆的な支配力を得る点にある。

一度、経済回復が中国資本と深く結び付けば、欧州の政策立案者は、安全保障、人権、技術規制といった分野で中国共産党に強硬姿勢を取ることがますます難しくなる。その結果、中国共産党は短期的な資本投入と引き換えに、長期的な政策拘束を得る。これは市場行為ではなく、西側による中国共産党への戦略的依存である。

二 政治面

「協力」という言語による主権の空洞化
中国共産党との協力は、決して純粋な経済行為ではなく、高度に政治化された相互作用である。協力協定には通常「期待の安定」「対立回避」「核心的関心の尊重」といった曖昧だが実質的な政治的含意が伴う。その結果、西側諸国では、中国共産党問題に対する「トーンダウン」批判的言論の「プラットフォーム排除」敏感問題の「技術的回避」といった自己検閲が広がっていく。「対話維持」「北京を刺激しないこと」が優先事項になるとき、主権は行使できる権利ではなく、常に計算されるべきコストへと変質する。

三 安全保障面 戦略的縦深の静かな侵食

経済依存の最も危険な結果は、貿易戦争での損失ではなく、危機時に選択肢が失われることである。重要サプライチェーン、レアアース、基幹部品、グリーンエネルギー原材料などで中国への高度な依存が形成されれば、台湾海峡、南シナ海、制裁、技術封鎖といった突発事態において、欧州は安全と経済安定を同時に守れない状況に直面する。これは、欧州が真の地政学的危機において、明確な立場表明ではなく、中立、曖昧、あるいは先送りを選ぶ可能性が高まることを意味する。これこそが、中国共産党が最も望む戦略的効果である。

四 産業面 空洞化した「産業繁栄」

中国投資の受け入れは、一部の西側諸国で「雇用創出」「グリーン転換」「インフラ高度化」として装われるが、長期的には、国内産業が中国主導の価格体系と生産能力論理に組み込まれる結果を招く。技術高度化は「市場と引き換えの資本」という低品質成長に置き換えられ、欧州の製造業や高付加価値産業は独立した進化能力をさらに失う。最終的に生まれるのは、戦略的統制権を欠いた産業繁栄であり、表面的には活況でも、実際には脆弱である。

五 価値面 自由世界の物語の自己崩壊

中国共産党になびく最も深層的な危険は、経済でも安全保障でもなく、価値の次元にある。

西側が一方で権威主義を非難し、ルールに基づく秩序を強調しながら、他方で「現実主義」を理由に中国共産党へ接近し続けるとき、発せられるメッセージは、価値は取引可能であり、原則は先送りでき、自由秩序は条件が許す場合にのみ適用されるというものである。これは対外的な道徳的求心力を弱めるだけでなく、内部に冷笑主義と政治的虚無を生み出す。

歴史は繰り返し示してきた。中国共産党は、経済的融合によって飼い慣らせる存在ではなく、依存関係を通じてルールを書き換える体系的挑戦者である。中国共産党への依存は、決して中立的な経済選択ではなく、戦略的な自己弱体化である。

今日、「安定」「投資」「回復」という名目でこの依存が再び繰り返されるなら、自由世界が失うのは成長余地だけではない。決定的な局面で中国共産党に「ノー」と言える能力そのものを失うのである。これこそが真の危険である。

こうした文脈において、トランプ氏が強調する主権優先、安全保障優先、サプライチェーン再構築、中国共産党体制への制度的境界線の明確化が、際立って冷静に映る理由でもある。

袁斌
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