カーニー加首相 ダボスでの「中国寄りの姿勢に転ずる」発言を撤回=米財務長官 

2026/01/28 更新: 2026/01/28

スコット・ベッセント米財務長官は1月26日、カナダのマーク・カーニー首相が同日、ドナルド・トランプ米大統領との電話会談で、前週のダボス会議での演説における一部の不適切な発言を「強く撤回した」と述べた。

ベッセント長官は、ホワイトハウスの大統領執務室でトランプ大統領と同席していた際に会談が行われ、カーニー首相がダボスでの発言を積極的に取り消したと、米フォックス・ニュースの番組「ハニティ」で語った。

この発言は、司会者から、カナダが中国寄りの姿勢に転じた場合にトランプ大統領が示唆する100%関税がどのような影響を及ぼすかを問われたことへの回答の中で述べられた。

ベッセント長官はまた、カーニー首相がダボスで言及した「中堅国家は独自の道を歩むべきだ」との考え方について、現実的ではないと指摘し、1980年代にフランスのミッテラン大統領が同様の路線を試みて失敗した例を挙げ、今回も同じ結果になるとの見方を示した。

ベッセント長官は、米国がカナダ製品に関税を課せば「カナダにとって災難になる」と改めて強調した。カナダは米国への依存度が高く、南北方向の貿易、すなわち米国との取引は、中国との東西貿易を大きく上回っていると説明した。その上で、カナダは米国と緊密に結びついており、首相は個人的な国際的構想を進めるのではなく、国民にとって最善の行動を取るべきだと述べた。

ベッセント長官の発言の翌27日、カナダの記者が「発言の撤回」についてカーニー首相に確認したのに対し、カーニー首相は、ダボスでの演説内容は自身の率直な考えを述べたものだと答えた。また、26日の電話はトランプ大統領からかかってきたもので、両首脳は幅広い議題について非常に良好な対話を行ったと説明した。

両者の説明が食い違う中、カナダ保守党は、首相府に対し電話会談の記録を公表するよう求めた。これは首脳会談後に一般的に行われる対応だとしている。保守党の外交問題担当評論家であるマイケル・チョン氏は、首相は何が起きたのかを明確にする責任があり、カナダ国民には真実を知る権利があると述べ、今回の電話内容を米国メディアで初めて知る事態は容認できないと批判した。

カナダ経済は米国への依存度が高く、輸出全体の75%が米国向けとなっている。現行の米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の下では、対米輸出品の85%が無関税扱いとなっている。カーニー首相が2025年8月に公表したデータによると、米国がカナダ製品に課している実効平均関税率は5.6%にとどまり、米国の貿易相手国の中で最も低い水準だ。USMCAは今年夏に見直しが予定されている。

これに先立ち、トランプ大統領は1月25日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に相次いで投稿し、カナダが中国と経済・貿易協定を結べば自滅につながると警告した。トランプ大統領は、中国がかつて偉大だったカナダを完全に掌握しつつあるのは悲しいことだと述べ、氷上競技に手を出さないことを願うと皮肉を込めた。別の投稿では、カナダは体系的に自滅しており、中国との協定は史上最悪級の取引になると主張し、多くの企業が米国へ移転していると指摘したうえで、カナダが存続し繁栄することを望むと述べた。

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