高市自民圧勝 習近平は最高の功労者?

2026/02/10 更新: 2026/02/10

高市早苗首相率いる自民党が2026衆院選で316議席獲得!  中共の台湾有事制裁が逆効果で大勝を後押し? 専門家「自滅」と分析。中国外交部の回答、回避と今後の日中膠着を解説。

2月8日に投開票が行われた衆議院選挙では、高市早苗首相率いる自民党が単独で316議席を獲得し、戦後初めてとなる一つの党が3分の2を超える議席を確保した。

これに先立ち、中国共産党(中共)は高市首相の「台湾有事」発言に対して制裁措置や言論攻撃を繰り返していたが、結果としてそれがかえって高市首相の大勝を後押ししたとの見方が広がっている。

2月9日、中国外交部の報道官はこの件に関する質問を受けたものの、明確な回答を避けた。

専門家は「中共の反日行動は結果的に損失を招いた」と指摘したが、「中共は自らの政策判断の誤りを認めることはない」と分析している。さらに高市首相も「台湾有事」発言を撤回する意向はなく、日中関係の膠着状態が続くとみられている。

中共の台湾有事制裁がブーメラン? 習近平「最高の選挙応援者」

自民党の圧勝を受け、X上では「習近平が再び最高の選挙応援者になった」との投稿が相次いだ。

あるセルフチャンネルは「習近平は選挙応援の功労者であり、自民党の完全与党化に決定的な役割を果たした」と述べた。

アメリカ在住の学者・呉祚来氏は「トランプと習近平による強力な応援の結果だ」と皮肉を込めて語った。

ネットユーザー「GearlessR」は「習近平の応援支出に比べれば、日本の他の政党が使える選挙資金など微々たるもの。誰が勝てるというのか」と投稿した。

中国外交部 明確な回答を回避

9日の中国外交部の定例記者会見で、東京テレビの記者は次のように質問した。「一部の見方では、最近の中国側の対日強硬姿勢が今回の日本の選挙結果に大きな影響を与えたとされています。中国側の見解をお聞かせください」

これに対し、外交部報道官の林剣氏は「中国は他国の内政に干渉しない。他方で、中国の内政への干渉にも断固反対する」と述べたうえで、「対日政策は明確で、安定しており、一貫している」と繰り返すにとどめ、質問には正面から答えなかった。

台湾国防安全研究院の研究員・沈明室氏は大紀元の取材に対し、「中共外交部の報道官は居心地の悪い立場にあったようだ」とし、「報道官は対日政策を繰り返し強調するしかなかった。現在、中共は高市政権の動向を注視しており、もし憲法改正や非核三原則の見直しなど新たな政策を打ち出す場合、中共は強く反発する可能性がある。しかしそれまでは従来の立場を繰り返す以外にない」と指摘した。

中国問題専門家の王赫氏は「中共は今回は完全に失策だった。反日行動で得たものより失ったものが大きく、内部では相当な反省が生じているはずだ」と述べた。

また、「中共は決して政策判断の誤りを認めず、すべては習近平の決裁によるものであるため、外交部報道官は極めて受け身の立場にある」と分析した。

さらに「中共外交部という組織は体制そのものであり、その体制は強い開き直りを特徴としている。どのような質問にも高圧的な態度で応じる」とも述べた。

高市首相「台湾有事」発言撤回せず 日中関係膠着へ

中共外交部の会見記録によれば、8件の質問のうち5件が高市首相の勝利に関連する内容であった。

中でも注目された質問は、「中国側としては、高市早苗が率いる新政権にどのような外交政策を期待しているか」というものであった。

これに対し、林剣報道官は「日本側に対し改めて、高市首相による台湾に関する誤った発言を撤回するよう強く求める。中日関係の政治的基盤を守るため、誠意ある実際の行動を取るべきだ」と述べた。

沈明室氏は「中共の報道官が撤回を求めても、高市首相は強い対中姿勢によってこそ支持を集め、選挙に勝利した。そうした中で発言を引っ込めることはあり得ない」と指摘した。

また、「高市首相は近く訪米を予定しており、アメリカも日本に発言撤回を求めることはない。彼女の目的は国力の増強と防衛力の拡充であり、大規模な防衛予算を投じつつ、アメリカとの協力を深化させる意向だ。この大きな流れの中で、台湾有事の発言を撤回するはずがない」と述べた。

沈氏はさらに、「現在、不利な立場にあるのは中共だ。かつて中共は日本に対してレアアース輸出の制限措置を取ったが、後に一部を緩和した。これは中共側も関係改善への出口を探していることを示している」と分析した。

レアアース制限の限界 日本深海採掘成功で対抗

高市首相が昨年の国会で「台湾有事」発言を行って以降、中共は経済・外交両面で日本に圧力をかけてきた。具体的には、観光制限、水産物の輸入禁止、発言撤回要求、自衛隊機への中共軍機によるレーダー照射などである。加えて軍民両用物資の対日輸出管理を強化し、レアアース輸出の制限は日本経済に深刻な影響を与えた。

しかし、日本政府は2月2日、深海掘削船「ちきゅう号」が深さ6千メートルの海底からレアアース泥の採取に成功したと発表した。

これに続き、共同通信は2月6日、中国が1月に二重用途物資の対日輸出制限を強化した後、複数のレアアース輸出を新たに承認したと報じた。

王赫氏は「高市首相の圧勝により、日中対立の構図は一層明確になった。中共はこの台湾有事に関する発言に固執しているが、それがかえって自らを苦しい立場に追い込んでいる」と述べた。

分析:高市政権は「弱い」首相でも「短命」政権でもない

2月9日、中共系SNSアカウント「牛彈琴」は「高市は賭けに勝った、日本はより危険になった」と題する記事を掲載した。記事は「高市は賭けに勝ち、バランスは完全に崩れた。日本はより危険な状況にある」と論じた。

同記事はさらに、「今後、彼女が平和憲法を改正して自衛隊を国防軍に改組し、日本の国家の『正常化』を加速させる可能性がある。歴史を清算しきれていない国が『正常化』へ向かう道には、最も異常なリスクが潜んでいる」と指摘した。

王赫氏は「中共は歴史問題を持ち出して日本の動きを『軍国主義の復活』と決めつけようとしているが、実際には第二次大戦後の日本は徹底した民主化を経ており、軍国主義に戻りようがない」と述べた。

「世界の平和と安定は日本にとって最大の国益であり、中共は自国の政治的思惑から歴史問題を利用しているにすぎない。こうした主張は国際社会では全く支持を得ていない」と指摘した。

香港のサウスチャイナ・モーニング・ポストは最近の報道で、「中共が昨年末、東南アジア諸国の外交官を北京に集め、日本に対抗するよう求めた」と伝えたが、その効果はほとんどなく、唯一ミャンマーが高市首相の発言を公に批判したにとどまった。

シンガポールの首相はむしろ「日本は東南アジアで最も信頼されている大国である」と述べたという。

中国問題専門家の王赫氏は「中共は他国に日本との関係断絶を迫っているが、多くの国はそう簡単に同調しない。アメリカも現時点で戦略的曖昧さを維持している。中共が大きな挫折を経験しない限り路線転換はない。したがって膠着状態は長期化する可能性が高い」と分析した。

高市政権の国家戦略転換 安保強化と日米同盟深化

自民党の圧勝後、高市首相は記者会見で「今年は安倍晋三元首相が自由で開かれたインド太平洋構想を提唱してから10周年にあたる。これをさらに推進していく」と述べた。

高市首相は来月、トランプ米大統領と会談するため訪米し、日米同盟を軸に日米韓、日米比、日米豪、またイタリア、イギリス、グローバル・サウス諸国との連携を強化する方針を表明した。

また、高市首相は「国家情報局」と「対日外国投資委員会」の新設を発表し、安全保障三文書の前倒し改訂を行い、安保政策の抜本的強化を進める意向を示した。

対中関係については、「日本政府の一貫した立場は、戦略的互恵関係の推進にある。あらゆるレベルでの対話を維持しつつ、国家利益の観点から冷静に対応していく」と強調した。

最後に王赫氏は次のように結んだ。「高市早苗は弱腰の首相にはならず、短命政権に終わる可能性も低い。日本の国家戦略の転換は急速に進む。日本が軍事大国としての地位を高め、反撃能力を強化すれば、台湾有事への対応力が大きく高まり、それは中共による軽率な台湾侵攻を強く抑止する要因となるであろう」

寧海鐘
中国語大紀元の記者。
駱亞
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