イランの次の指導者は誰か?

2026/03/04 更新: 2026/03/04

イランの最高指導者アリ・ハメネイ師が死亡したが、後継者は明確になっていない。

ドナルド・トランプ大統領の元国家安全保障副補佐官ビクトリア・コーツ氏は、メディア「デイリー・シグナル」に対し「最高指導者は明確な後継者が現れないよう体制を整えていた」と説明した。

イラン・イスラム共和国は1979年のイラン革命後に成立した。それ以降、同国の最高指導者は2人のみである。1989年に死亡したルーホッラー・ホメイニ師と、週末(2月28日)に米国とイスラエルによるイラン政権への共同作戦で殺害されたアリ・ハメネイ師である。

イランでは、最高指導者は「専門家会議」と呼ばれる88人の聖職者からなる機関が選出する。新たな最高指導者が選ばれるか、あるいは別の権力主体が台頭するまでの間、イラン憲法は三人から成る評議会に権限を付与する。現在この評議会は、マスード・ペゼシュキアンイラン大統領、ゴラームホセイン・モフセニ・エジェイ司法府長官、そしてアヤトラ・アリレザ・アラフィ専門家会議 副議長で構成されている。

中東政策シンクタンク「ミドルイースト・フォーラム」のグレッグ・ローマン事務局長は現在の懸念として、イランの権力空白を埋める形で、再び「一人による独裁体制」が生まれる可能性を指摘する。

ローマン氏は、テルアビブの自宅の防空壕からサイレンが鳴る中で「デイリー・シグナル」の電話取材に応じ、イランの旧王制最後の皇帝の長男であるレザ・パフラヴィ氏が今後注目すべき人物の一人であると述べた。

ローマン氏は、パフラヴィ氏には一定の役割があり得るとしながらも、パフラヴィ氏のメッセージ発信の方法や組織が「唯一の代替勢力」として自身を打ち出している姿勢は、むしろ反体制勢力の結束力を弱める可能性があると説明した。

米国に亡命しているパフラヴィ氏は3月1日、SNS「X」に長文を投稿し、イラン国民に向けて呼びかけた。パフラヴィ氏はイラン政権の残存官僚に対し、イラン国民への降伏と「移行体制」への忠誠を宣言し、さらなる流血を避ける形で権力を引き渡すよう求めた。

ローマン氏は、パフラヴィ氏が自身の指導力を主張するよりも、「イラン最大級の反体制政党50党の指導者」を集める会議を開催する方が賢明だとの見方を示す。ローマン氏によれば、旧皇帝の長男であるパフラヴィ氏には構想や計画は存在するものの、仮に明日テヘランに入った場合に誰が統治チームを構成するのかは明確ではない。

ヘリテージ財団のアリソン国家安全保障センター所長ロブ・グリーンウェイ氏は、理想的なシナリオは「非暴力による政権移行」であるとする一方、そこに至る道のりは困難だと指摘する。グリーンウェイ氏は、反体制勢力の間に十分な結束がなく、また各勢力がイラン国内でどの程度の支持を持っているかを判断することが極めて難しいと説明した。

グリーンウェイ氏はさらに、イラン政権の残存勢力について「国家」は依然として武力の独占を維持していると指摘する。そのため権力移譲は政権側の自発的な判断に依存するが、政権側は強いイデオロギー的立場を持っているため、そのような展開が起きる可能性は低いとの見方を示した。

イラン政権は急進的イスラム主義の原則を掲げ、シャリーア法に基づいて国家統治を行っている。

グリーンウェイ氏は、最も可能性が高く、かつ受け入れ可能な結果として「必ずしも友好的な政府が誕生する必要はないが、イランが米国に対して効果的な脅威を与える能力を失うこと」が挙げられると説明した。

その場合、米国は自国の利益を守ることができ、同盟国やパートナーが地域の脅威に対処できるため、米国が大規模な兵力を継続的に中東へ投入する必要はなくなるという。

アメリカ・ファースト政策研究所の米国安全保障部門ディレクター、ジェイコブ・オリドート氏は、最終的にイランの統治体制を決めるのは「イラン国民自身である」と指摘した。

オリドート氏は、トランプ大統領が現在の米国の作戦の最重要目的を、イランが核兵器を保有する能力を二度と持てないようにすることだと明確にしていると説明した。オリドート氏によれば、トランプ政権の対イラン目標は、イラン国民が自国の将来を決定できる環境を整えるため、現地の状況を形成することにある。

トランプ大統領は、2月28日に開始されたイランに対する米国の軍事作戦が最大で4〜5週間続く可能性があると述べている。

本記事は、ヘリテージ財団の刊行物「デイリー・シグナル」の許可を得て転載したものである。

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