イラン配備の中国製防空網はなぜ機能せず 専門家が指摘する3つの弱点

2026/03/05 更新: 2026/03/05

アメリカ上院は、トランプ大統領のイランへの軍事攻撃を制限する決議案を反対53、賛成47で否決した。決議案は、イランに対する空爆の停止を求めるとともに、今後イランに対するいかなる軍事行動も議会の承認を必要とするとしていたが、最終的に退けられた。

2月28日以降、アメリカとイスラエルが連携し、イランに対して大規模な軍事攻撃を実施した。報道によれば、この作戦でイランの最高指導者アリー・ハメネイ師を含む約50人の高官を排除した。

この軍事作戦をめぐっては、イランが配備していた中国共産党(中共)製のレーダーや防空システムが実戦でほとんど機能しなかったとの指摘が広がり、中国製兵器の実効性をめぐる議論を呼んでいる。

外部の分析によると、イランはロシア製、国産、中国製の装備を組み合わせた複合的な防空システムを展開していた。しかし実際の戦闘では、アメリカ軍の高度な電子戦能力やステルス技術の前に、中国製レーダーや防空装備は航空機を探知できず、有効な迎撃を行えなかった。

台湾の国防部系シンクタンク「国防安全研究院」国防戦略・資源研究所の蘇紫雲所長は、防空体制が機能しなかった理由について三点を挙げる。「第一に、イランの防空システムはロシア、中国、イランの独自システムを組み合わせて構築しており、基本的に互換性が低い。第二に、レーダーがアメリカとイスラエルによって無力化され、残された防空ミサイルは指揮・管制を失い、実質的に運用不能となった」と指摘した。

「第三に、アメリカとイスラエルはまず電子戦によるソフトキルでシステムを妨害し、その後、空対地攻撃のハードキルで破壊した」

イランは、中共が開発した遠距離早期警戒レーダー「YLC-8B」や「紅旗(HQ)」系列の防空システムを配備していた。中共側は、これらの装備についてステルス機に対する探知能力を持つと宣伝しており、F-35やF-22などの第5世代戦闘機の捕捉も可能だと主張してきた。

しかし、実際の戦闘ではアメリカ軍機はほぼ抵抗を受けることなく作戦を遂行し、中国製レーダーや防空システムがほとんど反応しなかった。

国防安全研究院の鐘志東助理研究員は「今回の防空体制は、いわば張り子の虎のようなものだった。欠陥があり、実際の戦闘では効果を発揮できなかった」と指摘する。

また蘇氏は、中国製兵器について「基本的な性能はあるが、信頼性に問題がある」と分析。短距離では良好な性能を発揮するとしつつも、「米欧の成熟した電子戦技術に直面するとシステムが破綻しやすい」と指摘した。

さらに蘇氏は、同様の事例としてイスラエルとシリアの衝突を挙げる。中共は当時、シリアにYLCや長距離早期警報レーダー「JY」を提供し、F-35を探知できると主張していたが、実際にはイスラエルによって無力化されたという。

専門家によれば、中国製兵器の大きな弱点は実戦経験の不足と品質管理の不安定さにあるという。一方で、中共による軍備拡張を過小評価すべきではないとの警告も出ている。

鐘氏は、「中共側は今回の事例を分析し、自国のシステムがなぜアメリカに対して劣勢となったのかを検証するだろう。期待した性能と実際の結果の差について、兵器システムの効率性を含めて厳しく見直すはずだ」と述べた。

また中共が兵器の数量では一定の優位を持つものの、現代戦の鍵を握る電子戦能力ではアメリカに少なくとも10年以上遅れていると示す。この差はインド太平洋地域の戦場ではさらに顕著になるという。

蘇氏は「イランでの作戦は主に地上目標を攻撃する空対地作戦だった。しかしインド太平洋地域では海空戦が中心となる。その場合、技術格差はさらに拡大する可能性がある」と指摘している。

新唐人
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