カメルーンが「中国の省」と表記 台湾がWTO閣僚会議への出席を辞退

2026/03/25 更新: 2026/03/25

カメルーンで今週後半に開催予定の世界貿易機関(WTO)閣僚会議について、台湾は出席を辞退した。開催国であるカメルーンが、台湾代表団の査証(ビザ)関連書類において、台湾を「中国の一省(Province of China)」と表記したためである。

台湾外交部(外務省に相当)は3月20日の声明でカメルーンの決定を非難し、渡航書類における誤った表記は「台湾の地位を著しく貶めるものである」と表明した。外交部によれば、台湾が2001年にWTOに加盟して以来、閣僚会議を欠席するのは今回が初めてのことである。

外交部は、「カメルーンが中国に屈従し、他国に従属しないメンバーとしての台湾の地位を尊重するという、ホスト国が長年守ってきた慣例を無視したことは、WTOにおける台湾の平等な参加権を著しく侵害するものである」と述べた。また、WTO事務局およびカメルーンのWTO代表部に対し、「正式な抗議」を行ったことも明らかにした。

第14回WTO閣僚会議は、3月26日から29日までカメルーンの首都ヤウンデで開催される。前回の閣僚会議は、2024年初めにアラブ首長国連邦の首都アブダビで開催されていた。

外交部によると、台湾代表団は当初、通商交渉のトップを務める楊珍妮(ヤン・ジェンニ)政務委員(無任所大臣に相当)が率いる予定であった。台湾は、中国が加盟した1カ月後の2002年1月に正式にWTO加盟を果たした。国際機関における台湾の公式名称は「台湾・澎湖・金門・馬祖個別関税領域(チャイニーズ・タイペイ)」である。

外交部は、台湾のWTO代表部が米国、日本、および外交関係のある同盟国の協力を得て、この問題についてWTO事務局や事務局長に働きかけを行ったと付け加えた。しかし、カメルーン側がこの表記を「自国の外交政策の問題」であると回答したため、努力は実を結ばなかったという。

「カメルーンは、多国間組織としてのWTOの全体利益よりも二国間の政策的配慮を優先した。これにより、台湾代表団の入国および査証手続きに関する長年の慣例を破っただけでなく、WTO加盟国として台湾が享受すべき公平、公正かつ合理的な待遇を提供することを怠った」と外交部は批判している。さらに、今後のWTO閣僚会議のホスト国に対し、「加盟国の平等な権利を損なう同様の事態が再発しないよう、正式な保証を提供すること」を求めた。

3月24日、台湾のWTO代表部は声明を出し、同国際機関のカメルーン代表部からメールを受け取ったことを明らかにした。台湾が出席辞退を発表した後の3月20日に届いたそのメールには、台湾代表団のための「査証免除書類」が添付されていた。

しかし、台湾代表部はその書類に「多くの重大な誤り」が含まれていると指摘した。代表団メンバーの名前の綴りが間違っているなどの不備があり、「理解しがたく、受け入れられない」としている。また、その書類で実際にカメルーンへの入国が可能かどうかも疑わしいとの懸念を示した。その結果、今回のイベントに参加しないという決定を維持することを表明した。

一方、北京で3月24日に行われた定例記者会見において、中国外交部の林剣報道官は、台湾の与党・民主進歩党が欠席の決定を通じて「政治的操作」を行っていると非難し、台湾は中国の「不可分の一部」であると主張した。中国共産党(CCP)は台湾を自国領土の一部と見なしており、必要であれば武力行使も辞さない構えで台湾を統制下に置く意向を示している。

カメルーンは、中国のインフラ支援枠組みである「一帯一路」構想に参加している。昨年5月、中国の国営メディア新華社は、カメルーンの都市クリビにある中国が建設した深海港を、一帯一路における「中国・アフリカ協力のモデル」であり、アフリカ諸国にとっての「希望の光」であると称賛していた。

米議会「台湾連盟」の共同議長を務めるマリオ・ディアス=バラール下院議員(共和党、フロリダ州選出)は3月23日のXへの投稿で、カメルーンが「共産主義中国の外交政策を優先させた」決定について「深く懸念している」と述べた。

同議員は、「これは、国際機関への台湾の有意義な参加を拒もうとする、北京による強圧的な戦術の露骨な一例であり、危険な前例を作るものだ」と記した。「台湾は米国を含む多くの国々にとって極めて重要な経済・安全保障上のパートナーであり、我々は今後も台湾が国際社会に参加できるよう支持していく」と強調している。

台湾在住のジャーナリスト。米国、中国、台湾のニュースを担当。台湾の国立清華大学で材料工学の修士号を取得。
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