戦狼外交の象徴・楊潔篪が不在 北京の国賓晩餐会が浮かび上がらせた異変

2026/05/15 更新: 2026/05/15

中国共産党当局は14日、トランプ米大統領一行を歓迎する国宴を開催した。中共の官製メディアの映像によると、李肇星、張業遂、周文重および崔天凱の4人の元駐米大使が出席した。一方で欠席した元駐米大使には秦剛のほか、楊潔篪も含まれており、とりわけ楊潔篪の欠席が憶測を呼んでいる。

今月14日夜、中共当局は北京の人民大会堂「金色大庁」でトランプ大統領一行を歓迎する国宴を開催した。中共の人事動向を観察しているX(旧ツイッター)のアカウント「中規中矩」は、中国中央テレビ(CCTV)のニュース番組「新聞聯播」の映像をもとに、「現在存命中の中共の歴代駐米大使7人のうち5人が国宴に出席した」と投稿した。

出席者は李肇星、張業遂、周文重、崔天凱の4人の元駐米大使に加え、現職の駐米大使・謝鋒で、欠席したのは楊潔篪と秦剛の2人だった。この出席・欠席状況について、大紀元は独自に確認を行った。

秦剛は2023年7月に外相職を解任され、その3か月後には国務委員の職も解任された。さらに2024年7月の中共第20期中央委員会第3回全体会議(三中全会)では、中央委員職を「辞任」した。

これに対し、楊潔篪の欠席には特に注目が集まった。X上では複数のネットユーザーが「楊は失脚したのか?」「なぜ楊潔篪は欠席できるのか」「楊潔篪がまさか不在とは」などと書き込んだ。

公開資料によると、楊潔篪は1950年生まれで、2001年から2005年まで駐米大使を務めた。2007年4月から2013年3月まで外相を務め、2013年3月には国務委員に就任。同年8月からは党中央外事工作領導小組弁公室主任を兼任した。

さらに2017年10月25日、中共第19期中央委員会第1回全体会議で政治局委員に昇格し、2022年10月23日に正式に引退した。

トランプ氏が2017年11月に訪中した際には、当時国務委員だった楊潔篪が空港で出迎えていた。

楊潔篪は「江沢民派」に近い人物とみられており、以前から複数のスキャンダルが取り沙汰されてきた。また党中央外事弁公室主任在任中には、当時の外相だった王毅と激しい権力闘争を繰り広げたとも伝えられている。

2021年に米アラスカ州で行われた米中高官協議では、当時政治局委員兼党中央外事弁公室主任だった楊潔篪が予定時間を超えて発言し、当時のアントニー・ブリンケン米国務長官やジェイク・サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)に対し、「米国には上から目線で中国に話す資格はない」「中国人はそんなやり方には従わない」などと発言した。

楊の発言が中国本土に伝わると、インターネット上では反米感情の高まりが起きた。

また一部では、楊潔篪がトランプ氏歓迎国宴を欠席したのは健康上の理由ではないかとの見方も出ている。2005年には、楊潔篪が心臓疾患を抱えており、バイパス手術を受けたとの報道もあった。

ただし、今年北京で行われた2026年の旧正月の団拝会には楊潔篪本人が姿を見せていた。

一方、中国中央テレビ「新聞聯播」の映像によると、昨日の国宴に出席した中共最高指導部メンバーのうち、政治局常務委員は3人だった。習近平のほか、国務院総理の李強、党中央書記処書記の蔡奇が出席した。

2017年11月にトランプ氏が訪中した際には、新たに発足した中共の政治局常務委員7人全員が国宴に出席していた。当時、退任直後だった張徳江、兪正声、張高麗、劉雲山、王岐山もそろって会場に姿を見せていた。

唐兵
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