米海軍が造艦計画を発表 5年以内に艦艇規模を450隻に拡大

2026/05/15 更新: 2026/05/15

米海軍は13日、冷戦以来最大規模となる造艦計画を発表した。2031年までに艦隊規模を450隻に拡大し、インド太平洋地域で中国と起こり得る潜在的衝突に備えることを目指す。

「ゴールデン・フリート」近代化のロードマップ

Naval Newsが13日に伝えたところによれば、カオ海軍長官代行(Hung Cao)は次のように述べた。

「この30年に及ぶ造艦計画は『ゴールデン・フリート(Golden Fleet)』のロードマップを示すものだ。より大規模で、より高い能力を有する艦隊の構築を目的としており、同時に産業基盤の再活性化と労働力育成の強化を図る。これにより、海軍および海兵隊の隊員らが今後数十年にわたっていかなる敵をも打ち負かせる作戦プラットフォームを保有することを確保する」

新造艦計画の短期目標は、2031会計年度までに米海軍の艦艇総数(有人艦艇、補助艦艇、無人システムを含む)を450隻まで増強し、台湾周辺および太平洋全域における海軍の作戦能力を強化することにある。

米海軍が現在保有する作戦艦艇は約291隻で、法定要求の355隻を下回っている。

海軍長官代行は「米国は戦略的な転換点に立っている。海上における米国の主導的地位を再構築するには、緊迫感、説明責任、持続的な関与が必要だ」と述べた。

水上、水中、無人艦艇の同時拡張

2027〜2031会計年度の計画によれば、今後の米海軍艦隊は作戦艦艇約299隻、補助艦艇68隻、無人海上システム83セットで構成される予定だ。米海軍が無人艦艇を戦力序列構造に正式に組み込むのはこれが初となる。

新計画の重点項目は以下の通りである。水上艦艇に778億ドルを計上し、アーレイ・バーク級駆逐艦7隻、次世代トランプ級原子力戦艦3隻、フリゲート4隻を調達する。

潜水艦の建造には1249億ドルを投入する。コロンビア級弾道ミサイル原潜5隻、バージニア級攻撃型原潜10隻を含み、2031会計年度までにコロンビア級を年1隻、バージニア級を年2隻のペースで建造することを目指す。

航空母艦計画には223億ドルが計上され、ジェラルド・R・フォード級空母システムの調達を加速させる。

水陸両用艦艇には293億ドルが投じられ、ドック型輸送揚陸艦(LPD)5隻、強襲揚陸艦(LHA)2隻、中型揚陸艦23隻が含まれる。

このほか150億ドルを補助・後方支援艦艇21隻、ならびに中型無人水上艦艇47隻と超大型無人水中航行体16隻の調達に充てる。

中国共産党海軍の拡張への対応

この戦略は、中国共産党海軍の規模が世界首位となり、なおも急速な拡張を続けていることに対する米国防総省の懸念を反映したものだ。

米国の国防計画担当者は、将来の台湾有事は長期にわたる海上戦・ミサイル戦に発展する可能性があり、より大規模な艦隊規模、産業の持続能力、分散型作戦が必要になると評価している。

巨額の投資の中には、2027〜2031会計年度における作戦艦艇建造費の3050億ドル超が含まれ、後方支援、造船所の近代化、労働力の拡充をカバーする。

全面的に実施されれば、米海軍艦隊は今後、高度に分散された作戦システムとなり、原子力艦艇、潜水艦、自律システム、先進的なミサイル防衛、長距離打撃能力を統合し、高烈度の衝突においても海上優勢を維持することを確保する。

米海軍、対中国で新戦略を推進

米海軍は、対等な強敵との対峙にあたっては、分散型作戦すなわち「ハイ・ロー・ミックス」の艦艇構成を採用すると強調する。空母、弾道ミサイル原潜、バージニア級潜水艦、将来の原子力戦艦などのハイエンド・プラットフォームは長距離打撃と生存能力を提供し、コストの低いフリゲート、沿岸戦闘艦、自律システムは展開範囲を拡大し、分散型海上作戦を支える。

分散型海上作戦(Distributed Maritime Operations、略称DMO)は、米海軍の将来艦隊における中核的な作戦コンセプトである。

これまで米海軍は、空母打撃群など主力艦艇を集中展開させ、強力な火力を形成する傾向にあった。しかし、中共の対艦ミサイル、飽和攻撃、無人機、精密探知能力に直面した場合、この主力集中型の運用は「一網打尽」にされやすく、高価値艦艇がひとたび被弾すれば損失は甚大なものとなる。

新戦略は、生存のための分散と、効率のためのネットワーク化を強調し「分散形態+集中指揮+ネットワーク連携」という新型の海上作戦モデルを構築する。対等な強敵との対峙において、より強靱で致死性の高い戦力とすることを目指している。

高杉
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