中国でコロナ再拡大 感染者52万人超 病院でPCR検査を案内せずとの証言

2026/08/24 更新: 2026/08/24

中国で新型コロナウイルスの感染が再び拡大している。中国疾病予防管理センターの公表データによると、7月のコロナ感染者数は6月から約560%増加した。一方、重症者は487人、死亡者はわずか1人だった。医療関係者からは、こうした数字を疑問視する声が上がっている。病院でPCR検査を案内されなかったとの患者や医師の証言も相次いでいる。

疾病予防管理センターが8月20日に発表した8月10〜16日の急性呼吸器感染症の定点観測によると、外来のインフルエンザ様症例から採取した検体のうち、新型コロナの陽性率は21.2%だった。前週とほぼ同じ水準で、高止まりしている。主な流行株はNB.1.8.1系統で、15~59歳で陽性率が最も高かった。

直近4週間の新型コロナ陽性率は、7月20~26日が20.3%、7月27日~8月2日が22.3%、8月3~9日が21.1%、8月10~16日が21.2%となっている。

7月の新規感染者は52万2千人で、6月の7万9千人から約44万3千人増えた。増加率は約560%に達した。重症者は487人、死亡者は1人だった。中国CDCも、7月の報告感染者数について「変動しながら増加した」としている。

医師「実際の感染者はさらに多い」

カナダの中医学院教授で医師のジョナス・リュウ氏は大紀元の取材に対し、当局の公表データから見て、新型コロナがすでに広い範囲で流行していると分析した。

「52万2千人は、あくまで確認した感染者の数にすぎない。実際には診断を受けていない人も多く、感染者数はさらに多いはずだ。症状が軽ければ病院へ行かず、自宅で休んだり市販薬を飲んだりして回復する人もいる。だから、実際の感染者数はきっとこれより多い」

リュウ氏はまた、中国経済が低迷するなか、当局は感染拡大による経済への影響を警戒していると指摘。「感染がかなり拡大していても、大規模流行とは認定しない可能性がある」と述べた。

医師 中国CDCの重症者・死者数に疑問

台湾疾病管制署によると、8月4~10日の1週間に、新型コロナによる新たな国内重症例72人、死亡例14人を報告した。

一方、中国疾病予防管理センターの7月のデータでは、感染者数が前月から約560%増えたにもかかわらず、重症者は487人、死亡者は1人にとどまっている。

台湾の感染症専門医、鄭元瑜氏は大紀元に対し、「通常、重症者数と死亡者数にはある程度の相関がある。重症487例に対して死亡1例という数字が、実態を反映しているとは考えにくい」と指摘した。

鄭氏は、医療資源の不足や経済的な理由から受診できず、診断を受けていない患者がいる可能性に加え、統計そのものにも問題があるとの見方を示した。

感染動向については、台湾では増加ペースが鈍化し、ピークに近づいている一方、中国で感染者数が高水準のまま横ばいで推移しているのであれば、流行の推移としては不自然ではないとの認識を示した。

劉氏はさらに、中国では洪水や豪雨、台風、地震などの災害が相次いでおり、避難生活による衛生環境の悪化や人の密集が、感染拡大につながる恐れがあると指摘。新たな変異株の出現や重症者の増加にも注意が必要だとした。

また、中国共産党当局が過去に新型コロナ感染者の報告方法を変更したことや、コロナによる死亡が別の死因として扱われる場合があるとして、公式の重症者数や死亡者数に疑問を呈した。

「感染対策の成果を政治的な実績として扱えば、最終的に被害を受けるのは国民だ」と述べた。

患者「病院でPCR検査をしてもらえない」

大紀元の取材に応じた上海の患者によると、喉の痛みと頭痛があり、上海同済医院を受診したものの、コロナのPCR検査は勧められなかったという。

「CTなどの検査を受けたが、コロナの検査を勧める医師はいなかった。喉の痛みは治ったが、頭痛が残った。2千元以上かかり、6回目の受診でようやく新型コロナだと分かった。頭痛は10日たっても治っていない」

浙江省に住む母親は、生後3か月の子供が発熱した際、病院では血液検査だけが行われ、コロナの可能性やPCR検査についての説明はなかったと話した。

まだ小さいので、指先から採血するのも大変だった。

「検査結果が出ても、何のウイルスなのか教えてもらえなかった。その後、数日たっても声がかすれていたため、コロナではないかと思い、PCR検査を受けたところ陽性だった」

この母親によると、現在、病院には発熱や咳などの症状を訴える子供が多数訪れているという。

江蘇省の患者も、「数か月前に夫が発熱し、自分も風邪のような症状と咳が出て、生後数か月の子供にも感染した。夫婦で大きな病院を受診したが、医師からの指示は採血だけだった」と証言した。

「A型・B型インフルエンザ、マイコプラズマ、新型コロナの検査はないのかと聞いたところ、『コロナの検査はない』と言われた」

山東省の患者も、8月15日に体調不良を感じ、コロナかどうか調べるため病院を訪れたが、「もうコロナの検査はしていない」と告げられ、A型・B型インフルエンザだけを検査したと投稿している。

別のネットユーザーも、勤務先で最近、発熱や風邪のような症状で休む人が複数出ているものの、コロナ検査を受けた人はほとんどいないと明かした。三甲病院の発熱外来に同僚を付き添った際も、体温測定と採血だけで、コロナ検査は行われなかったという。

医師「コロナが疑われても検査を案内しない」

中国国内のある医師は最近の診療現場について、SNS上で「良心がとがめる」とした上で、次のように明かした。

「最近は新型コロナとインフルエンザが非常に多く、毎日数十人から100人以上の発熱患者を診ている。まず血液検査を行うが、典型的なウイルス感染で、流行状況を考えればコロナかインフルエンザだと判断できる患者もいる」

その一方で、「患者から希望がない限り、PCR検査を受けることをこちらから案内しないよう求められている」と述べた。

理由について、この医師は、陽性例が出れば疾病予防管理当局への報告が必要となり、患者の詳しい情報を記入しなければならないためだと説明した。記入漏れなどがあれば患者に電話で確認する必要があり、報告作業にも手間がかかるという。

駱亜
中国語大紀元の記者、編集者。
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