中国の大学で、なんとも殺伐とした競争が話題になっている。
成績で勝てないなら、ライバルの違反を大学に通報して脱落させる。大学院への推薦をめぐり、そんな「密告」が競争の手段になっているという。
最近、ハルビン工程大学では、VPNを使って海外サイトにアクセスした学生20人が処分された。ネット上では、推薦を狙う学生の通報が発端だったとの情報が広がり、中国の大学における「密告」の実態に注目が集まった。
中国ではGoogleやYouTubeなど多くの海外サイトへのアクセスが規制されている。VPNは、こうした規制を回避して海外サイトを見る際にも使われる技術だ。
通報の対象はVPNだけではない。ネット上では「ルームメートが禁止家電を使っている」「授業をサボった」「ゲームをしている」「体育試験で替え玉を使った」など、同級生を通報する例が次々と紹介されている。過去のSNS投稿や日頃の発言まで材料にされることもあるという。
背景にあるのが、大学院への推薦制度だ。成績だけでなく「思想・品行」や処分歴なども審査されるため、ライバルが問題を起こして推薦から外れれば、次の学生にチャンスが回ってくる。
つまり、自分の成績を上げるだけでなく、相手を落とすことでも自分が有利になれる。
問題は、一部の学生が「密告好き」になったというだけではない。密告した側が得をする仕組みがあれば、同級生は仲間ではなく、互いに弱みを探す競争相手になってしまう。
勉強だけでは終わらない中国の大学競争。その厳しさは今、学生同士の人間関係にまで入り込んでいる。
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