中国で社会保険料巡り批判殺到 4800万回閲覧の話題が閲覧不能に

2026/10/21 更新: 2026/10/21

中国共産党(中共)当局は、法律や行政措置、ビッグデータを駆使して社会保険料の徴収を強化し、企業や労働者に加入を徹底させようとしている。主な対象は年金保険と医療保険で、インターネット上では強い反発が広がっている。

中国のSNSウェイボーでは、10月19日に「若者が社会保険料を払わない理由」という話題がトレンド入りし、閲覧数は4800万回を超えた。しかし、翌20日にはこの話題が閲覧できなくなり、関連投稿の扱いに注目が集まっている。

低所得層やフリーランスの間では、景気の減速や賃金の伸び悩み、厳しい雇用情勢が続くなか、保険料の全額を自己負担すれば、生活がさらに苦しくなるとの声が上がっている。

ロイター通信によると、この話題は19日にウェイボーで少なくとも4800万回閲覧され、3万2千件のリアクションを集めた。翌20日には、検索画面に「関連する法律、法規および政策に基づき、この話題は現在閲覧できない」と表示された。ただし、一部の関連投稿やコメントは引き続き閲覧できる状態だった。

また、「社会保険料を十分に納めていない企業への処罰強化」に関する別の話題も、20日午前までに2150万回以上閲覧され、1万2千件のリアクションが寄せられた。

ネット上では、賃金が低い一方、年金、医療、労災、失業、出産に関する社会保険料の負担が重すぎるとの不満が出ている。従業員の負担は給与の約10%、企業側は約25%とされるが、実際の割合は地域や制度によって異なる。

あるネットユーザーは「多くの若者が社会保険料を払わないのは、単に老後のために貯蓄したくないからではない。目の前の生活費の負担と、将来の年金生活への不安との間で板挟みになっているからだ」と投稿した。

経済的な負担に加え、高齢化の進展も年金制度に対する不安を強めている。退職者が増え、現役世代が相対的に減少するなか、将来も十分な年金を受け取れるのかと心配する声が上がっている。

社会保険料の未納企業に罰金 最大で未納額の3倍

中共中央テレビが10月17日に報じたところによると、当局は11月1日から、従業員の社会保険料を納めなかった企業への処罰を統一的に実施する。罰金は未納額の最大3倍に達する可能性がある。

人力資源・社会保障省の李忠副部長は10月上旬、保険料を納めていない人を割り出すため、「あらゆる手段を講じるべきだ」と述べた。ビッグデータ分析も活用し、社会保険への加入をさらに促す方針を示した。

社会保険料の徴収が厳しくなれば、企業の人件費が増え、従業員の手取り収入も減る恐れがある。不動産市場の長期低迷によって家計資産が目減りし、所得も伸び悩むなか、こうした措置に国民の理解を得ることは難しい。

中国のSNS、REDでは、あるユーザーが「適正な給与が支払われ、社会保険にも加入できる仕事を見つけられるようにしてくれれば、問題は自然に解決する」と投稿した。

別のユーザーは「私だって保険料は払いたい。でも、今の収入では生活するだけで精いっぱいだ。どうやって払えというのか」と訴えた。

こうした投稿からは、社会保障そのものを軽視しているのではなく、日々の生活費さえ十分に賄えない状況で、保険料を払えば生活がさらに苦しくなることを心配する人々の姿が浮かび上がる。

フリーランスに重い保険料負担

人材サービス会社の中和グループが2025年に6689社を対象に実施した調査では、社会保険料の納付規定を完全に守っていた企業は34.1%にとどまった。

一部の企業はこれまで、保険料の算定基準となる給与額を実際より低く申告するなどして、負担を抑えてきた。しかし、当局が取り締まりを強化したことで、企業と従業員の双方が保険料の負担増を迫られている。

李忠が未納者の追跡調査について発言した記事には、あるネットユーザーが「社長の電話番号を教えるので、そちらに直接連絡してほしい。正直に言えば、私自身も社会保険に加入したいから」とコメントした。

特に負担が重いのは、決まった雇用主を持たないフリーランスなどの人々だ。

ロイター通信によると、中国にはパートタイムや臨時雇用、短期契約、仕事ごとに報酬を受け取る人など、柔軟な働き方をする人が3億人以上いる。こうした人々は従来、すべての社会保険への加入を一律に義務付けられていたわけではなく、保険料を全額納めない人も多かった。

あるネットユーザーは「正式な雇用主がいないのに、保険料をすべて自分で負担しろというのは、あまりにも重すぎる」と訴えた。

就職難に苦しむ若者「ロボットに社会保険料を払わせろ」

厳しい雇用情勢も、保険料の徴収強化に対する不満を高める要因となっている。

一部の若い大卒者は、AIの急速な普及や工場の自動化によって新たな雇用が減り、就職や安定した収入の確保が一段と難しくなることを心配している。

賃金や雇用環境が改善しないなか、社会保険料の負担まで増えることに、若者の不満が高まっている。

こうした状況を揶揄し、あるネットユーザーは「ロボットに社会保険料を払わせればいい」と投稿した。

王蘭
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