大富豪・呉小暉氏に懲役18年、1800億円の資産没収 習氏「迅速に処理」と指示
中国の上海第1中級人民法院(地裁)は10日、安邦保険集団元会長の呉小暉氏に対して、詐欺と職権乱用の罪で懲役18年の実刑判決を言い渡した。また、呉氏の個人資産105億元(約1800億円)を没収するとした。金額として、過去最高とみられる。
中国、保険大手・安邦を公的管理 「紅いファミリー」への締め付けか
中国当局は24日、金融大手の安邦保険集団(以下、安邦)を今後1年間当局の管理下におくと発表した。また、当局は同社の呉小暉会長について、「詐欺的な資金集め」と「職務上の横領」などの経済犯罪の疑いで起訴した。中国メディアによると、呉会長は昨年6月に当局に身柄拘束された。
昨年まで資産32兆円 安邦保険、中国政府が管理
中国政府組織は最近、国内金融大手の安邦保険グループは「破産の危機」にあるとして、政府の管理下に置くと発表した。安邦は近年、ニューヨーク市の高級老舗ホテル、ウォルドルフ・アストリアを含む海外の企業や資産を積極的に買収したが、背景は共産党内の敵対する勢力があると睨んだ習近平政権は、「人民元流出規制」を名目に、同社を失墜させた。
万達トップも対象か 習近平政権、政商に反腐敗のメス
習近平政権の腐敗取り締まりの対象は、権力と癒着する企業家、いわゆる政商にも広がっている。中国一の大富豪・王健林氏も例外ではない。王氏が率いる複合企業・大連万達集団(ワンダ・ グループ)はここ数カ月間で、約8割の国内産業を売却し、経営の主体である不動産から完全撤退せざるを得ないほど、追い込まれている。かつて「打倒ディズニー」と豪語した敏腕経営者は、今やすっかり勢いを失った。
習近平政権の反腐敗キャンペーン、次のステージへ 党高官の外戚まで調査対象に
中国の保険大手、安邦集団CEO・呉小暉が当局に連行された理由について、米メディアが呉氏が習政権の政治的タブー2つを犯したからだとみている。習政権は反腐敗運動の調査範囲を、党上層部の外戚関係へと進めてきたようだ。
中国保険大手の安邦トップ 身柄を拘束 金融界の腐敗取り締まり
中国金融界における腐敗取り締りの動きは強まっている。中国大手保険会社「安邦保険集団」は14日、呉小暉会長(51)が「個人的な理由でしばらく職務を遂行できなくなった」と発表した。これまで多くの中国メディアに取り上げられた呉氏の「身柄拘束」説を裏付けたものとなった。
次の粛正ターゲット? 中国・安邦の2兆円超えの超大型買収にストップ
中国当局は、国内保険大手の安邦保険集団(以下、安邦)に対して、海外での投資や買収を認可しない姿勢を示した。また、中国国内外メディアは最近、安邦の呉小暉会長に対してマイナスの報道が目立っている。背景には、習近平当局による金融セクターへの粛正強化と関係するとみられる。