近頃、中国各地で通学中の学生を狙った社会報復事件が絶えない。
19日にも湖南省の小学校前で下校中の児童の群れに暴走車が突っ込む事件が発生した。事件現場を撮影した動画が華人圏で拡散されているが、中国のネット上では検閲が敷かれているためか、関連情報は一切ヒットしない。
動画投稿者によると、19日午後4時頃(現地時間)、河南省平頂山市にある宝豊県第四小学校の校門前で、下校時刻に児童の群れに暴走車が突っ込んだ。轢かれた女子児童の1人は血まみれになって動かなくなり、死亡した。ほかにも、複数の児童が負傷した。怒り狂った保護者は暴走した運転手に殴る蹴るの暴行を加えた。
(2024年12月19日、河南省平頂山市宝豊県第四小学校の校門前で起きた暴走車事件の現場)
校門前は「危険地帯」
このように、中国各地で児童、生徒を狙った社会報復事件があまりに立て続けに起きているため、通学時間帯の小中学校の校門前は公認の「危険地帯」とすらなっている。
再発防止すべく、当局は学校やショッピングエリアなどの公共施設に対して警備強化を命じている。
そうして各地の学校の校門前は各種暴走車予防のための障害物が設置されるようになり、「歩行者と自転車しか通れない」特別警戒区域が設けられるようになった。
なかには、校門前に銃を配備した武装警察や軍人を立たせる学校も現れており、銃を持つ軍人の前を毎日通らないといけない子供たちの心境を思うと、とても複雑な心境になる。
そうした、暴走車警戒態勢の結果、衝突防止用の石の置物や各種バリケードは飛ぶように売れているが、いっぽうでは、「いざというの時に、救急車や消防車はどうやって中に入るのか?」と、懸念の声も上がっている。
学校前に設置されたバリケードのなかには、下の画像のように近づけないように沢山のトゲがついたフェンスなど危険なものもある。
例えばSNSで拡散されている隔離用フェンスの場合、通学途中の小学生たちがこれに登ったりして遊んでいるのだ。
「子供同士の押し合いっこで誤ってトゲトゲ箇所に体が当たったら大変だ! ケガどころか、命も落としかねない」との指摘や不安の声も上がっている。
(中国のとある小学校の校門前に設置された危険なトゲトゲ付き隔離用フェンス)
(広東省珠海市にある小学校「楊匏安記念学校」の校門前)
(学校前の道路に設置された各種暴走車防止用バリケード、中国広東省珠海市)
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