究極の闘い:孫悟空 vs 紅孩児
孫悟空は中国小説の登場人物の中でも最もパワフルなキャラクターと言えましょう。たった一人で天空の軍団を相手にし、最強の怪物を一撃で倒してしまいます。しかし、その孫悟空でさえも、完全にお手上げになったことがありました。
『水滸伝』に登場する豪傑たち
水滸伝は、中国の古典小説の中でも最もアクションに満ち、最高峰の小説に数えられます。史実に基づく小説で、14世紀に施耐庵が著しました。900年ほど前の北宋の時代にならず者が中国の土地を歩き回っていた時の話です。
3歳の肉体に宿った22歳の魂
近年、中国ではクロスオーバー小説やテレビドラマが流行しており、その一つに、ある人が死んだ後、魂が他の魂に取り憑くという物語があります。俗に「借屍還魂(しゃくしかんこん、屍を借りて魂を還す)」と言われます。
お気に入りのお皿も一緒!里親に引き取られた犬のオリバー
イギリスの小説家チャールズ・ディケンズをご存知だろうか?
彼の小説の中に登場する貧しい少年、オリバー・ツイストがロンドンの劣悪な通りを歩くシーンがある。少年たちは毎日、貧しい家からお椀いっぱいのポリッジを与えられている。しかし、彼らの空腹は満たされることがない。オリバーはご主人様に向かって「どうか、もう少しください。お願いします」と懇願する。
「本は人より長生き」古書愛好家 欧州やアメリカ市場で復興する本市場
ネットでの文章を読む機会が多くなる電子社会。紙媒体の書籍は淘汰されてしまうのだろうか。いっぽうで、最近、愛読書家の心配を払しょくするかのような良いニュースが伝えられた。
私小説『田舎の素麺』(三)
私が高校時代にサッカーでインターハイに出場したときのイレブンの写真が大きく飾られた店の二階で、夜に蚊帳を吊って息子と床に就いていると、白髪の母が豚の陶器に入った蚊取り線香をもってきてくれた。
私小説『田舎の素麺』(一)
会社の盆休みに長崎に帰省し、朝から玄界灘の海を見ていたら、波間でボラが数度跳ねた。台風が上陸してきたのか黒雲が水平線の彼方からみるみる現れ、西の方角から突如として偏西風が吹いてきてた。スコールのような激しい通り雨が降ってきたので、一目散に後ろの防砂林に逃げ込んだ。
【呉校長先生の随筆】 ー最優秀女優賞ー
【大紀元日本3月1日】漁村で育った春(しゅん)ちゃんは、とても恥ずかしがり屋です。少し劣等感を感じているのか、大勢の中で歩くと緊張のあまりつまずいて転んだり、両手と体が震えたりすることがよくありまし
【ショートストーリー】現実
【大紀元日本10月9日】真知子は、勤めを終えるといつものように六本木のアマンドでブラックコーヒーを口にして溜め息をつく。 「いつ頃から…これが習慣になってしまったのだろう?」 もう三十路もとうに過ぎ
【エンタ・ノベル】麻雀の達人(6)-天地人-
【大紀元日本7月4日】 「ロン!人和…金門橋…」 起家の満福によって放たれた第一打が、見透かされたように下家の顔園に当たってしまった。 「あれ!(何か様子が違うぞ…坊主だと思ってなめてかかるととんで
【エンタ・ノベル】麻雀の達人(5)-赤兎馬亭-
【大紀元日本6月28日】満福が気付くと、もう日が暮れているのだろうか、暗い坂道をトボトボと歩いていた。「はて、ここは横浜の山の手か?それにしても殺風景なもんだな。麻雀を打っていて…深酒でもしたのだろ
【エンタ・ノベル】麻雀の達人(4)-九蓮宝燈-
【大紀元日本6月24日】満福が振り返ると、セカンドバッグの男は名刺を差し出した。「黒竜会金融CEO、張国強…(中華街でも悪名高い街金だな)」。「その張社長が、私に何の用ですかな?」男は、サングラスを
【エンタ・ノベル】麻雀の達人(3)-悪夢の追憶-
【大紀元日本6月19日】満福は、このところ悪夢に苛まれるようになっていた。20年前に麻雀の勝負で自殺に追い込んだ黒龍楼の店主が夢枕に立つようになったのだ。確かに、若い頃の満福は天分の盲牌と積み込みの
【エンタ・ノベル】麻雀の達人(2)-祖母の血脈、不敗の盲牌-
【大紀元日本6月15日】満福が関帝廟での日課の祈りをすませる午後の昼下がり、見透かしたように携帯が鳴り始める。「はい、金ですが…いつものように朱雀の宿で…分かりました」。中華街の麻雀仲間から誘いが来
【ショートストーリー】片腕の乞食
【大紀元日本6月11日】腕が片方しかない乞食が、修道院にやってきて物乞いをしていた。それを見た修道僧は、門のところに積んであるレンガの山を指差して、「あれを裏門の所に運んでくれないか」と言った。 乞
ショートストーリー:箒のお話
【大紀元日本6月28日】私の大叔父さんは本をいっぱい読んでおり、話がとてもじょうずだった。大叔父さんの話はとてもおもしろく、天文、地理、歴史、人生体験など、すべてが話の題材となった。 私の祖父が早く