<分析>ハノイ米朝会談 米国、北朝鮮そして中国共産党の思惑は
米朝初会談から8カ月、トランプ大統領と金正恩委員長は、ベトナムのハノイで2回目の会談を行う。会議は、2国間ではなく、実質的には背景にある中国を加えた3国間会談だ。米国、北朝鮮、中国共産党のそれぞれの狙いは異なる。
米政府、南北の「終戦宣言」要請を拒否 「米国の優先順位は非核化」
北朝鮮は今月3日と4日に渡ってシンガポールで開かれた第25回ASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会合で、米国側に北朝鮮制裁の緩和と終戦宣言を要求した。しかし、米国は非核化が先に行われない限り制裁継続を主張し、北朝鮮の核問題における米朝間の食い違いが鮮明になった。米政府は、韓国側閣僚との非公開会談でもこのような考えを力説したと伝えられている。米韓朝の意見違いが解決されないまま交渉が続くと、韓国政府の主張する「年内終戦宣言」が米韓関係を悪化させるという懸念も出ている。
「チャイナ蚊帳の外」否定した中国官製紙 朝鮮半島への関与を強調
中国の共産党機関紙・人民日報系の環球時報は29日の社説で「中国は(朝鮮半島情勢の)脇役ではない」とし、中国の役割を強調した。また、終戦宣言を現在の当事国である米韓朝のみで締結するとの一部の米韓側の動きを拒否する姿勢を示し、同情勢における中国除外論「チャイナ・パッシング(素通り、蚊帳の外)」に反論した。しかし、韓国の一世論には、朝鮮戦争で中国は非正規軍での参戦のため、終戦協定の参加資格を懐疑的にみる声もある。