【大紀元日本3月22日】米ブッシュ大統領は今月初めて、インド、パキスタン、アフガニスタンを訪問した。ブッシュ大統領にとって、今回訪問の目的地はインドである。ブッシュ大統領は、この半年内にニューデリーを訪ねた五人目の世界トップレベルの指導者である。一部の人はブッシュ大統領のインド訪問を1972年2月にニクソン元大統領の中国訪問と同じ意義をもつとみており、これで世界政治構造が徹底的に変わるだろうと認識している。最近の状況から言えば、このような考えはまだ実際より大げさではあるが、ブッシュ大統領がインドの機嫌をとるために核エネルギー問題上で大きく譲歩をしたこと、そして、各大国の指導者が次から次へとインドを訪問したことから見れば、インドの影響力が日々増していて、人々はインドの将来に高い期待感を持っていることがうかがえる。アジア時報の潘小涛=香港=が伝えた。
ブッシュ大統領がインド訪問中、米印政府は、アメリカがインドの民用原子力発電所に核関連技術と燃料を提供するなどの内容が盛り込まれた原子力協定を締結した。インドはイランなどの国と同じように、国際核拡散防止条約をまだ批准していない。ブッシュ大統領は極力イランの核兵器拡散の発展を阻止している一方、国際社会から大きく批判されるリスクを負いながらも、インドの原子力発電所の発展に全力支持している。アメリカがインドと友好関係を結ぶメリットは、国際的イメージを損なってしまうというデメリットよりはるかに大きい、というアメリカの打算が見え隠れている。経済的な利益のほか、インドは経済が大きく発展した中国の最大のライバルであり、アメリカが中国を抑制するための力となる、という理由もある。
事実上、アメリカを除いて、多くの大国もインドに大きな力を入れている。去年7月以来、欧州理事会(EU首脳会議)の議長をも務めるイギリスのブレア首相、日本の小泉首相、ロシアのプーチン大統領、フランスのシラク大統領、オーストラリアのハワード首相は次々とインドを訪問した。ご存知のように、外交は最も現実的なことであり、その目的は自国のために最大な利益を求めるところにある。これらの首脳が長い旅を厭わず、ニューデリーに行ったのは、まさに躍進したインドが世界舞台で重要な役割を果たす前に、良い関係を結ぶことによって、政治や経済的な利益を獲得できるという狙いをもっている。
このような状況は、中国が最も知っている。2002年以降、中国の外交活動が頻繁になった。中国指導者が外国への訪問の話はともかく、中国訪問を招待された外国指導者は後を絶えない。2003年に少なくとも26ヶ国の国家元首または政府首脳が北京を訪問した。2004年に49名と倍以上急増した。2005年、北京は60カ国の国家元首あるいは政府首脳を招待したという。言い換えれば、過去3年間に約140名の国家元首あるいは政府首脳が中国に訪問した。もし、中国に訪問した外相や議会議長、副首相などをも計算に入れれば、中国を訪問した国の数はより多くなる。
したがって、北京は世界外交舞台の中心でなくても、アジア外交の中心となっているだろう。これほど多くの外国要人が熱心に中国を訪ねたのは、中国経済力が日増しに強くなってきて、これらの国は中国の経済発展から利益を得るのを狙いながら、中国の国際的な影響力も強まると予想して、将来、北京の世話になれるように願っている。
また、当然に米、日、露、英、仏などの大国はインドとよい関係を結びたいという気持ちは、インドのよい経済見通しだけを見てそう考えたのではなくて、各国はインドの戦略的役割、特に中国を抑制するための役割を最も重視しているという。
将来の何年間の間に、もしインドは高成長を続けていけば、ニューデリーの各国大使館はより忙しくなり、ニューデリーを訪問する国家元首もますます増えるに違いない。そのとき、北京は今までの魅力をまだ保持できるのだろうか? これから、インドはきっと中国にとって心の「悩み」となるだろう。北京は今からより多くの投資をし、どのようにインドの躍進と各国の市場に出回る「made in india」 を対処すべきかを考えなければならない。
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