【大紀元日本3月11日】中国農業部の新聞弁公室は6日、チベットのラサ市にある家禽交易市場から鳥インフルエンザH5型ウイルスを検出したことを発表した。同市場で販売された鶏が3月1日に異常死亡したため、死んだ鶏のサンプルが中国国家家禽インフルエンザ参考実験室へ送られた。同月5日に検査結果が発表された。一方、福建省から送られた家禽のサンプルからも鳥インフルエンザのウイルスが検出されたという。
新華社6日の報道によると、ラサ市で鳥インフルエンザ感染が確認されてから、地元当局は感染発生した市場を閉鎖し、市場の中にある家禽は全量処分する等対応措置を講じたという。また、鶏生産地での調査によると、当地では鳥インフルエンザの感染情報はないという。専門家は、ラサ市は渡り鳥が東アフリカから西アジアへの経由ルートに位置しているとし、死んだ鶏は渡り鳥から感染された可能性が高いとの見解を示した。
一方、福建省獣医部門および農業部専門家チームが採集した325羽家禽と20数羽の野鳥のサンプルも中国国家家禽インフルエンザ参考実験室で検査分析を行った。採集されたサンプルの中で、カササギ、クイナなど3羽の野鳥および1羽の鴨から鳥インフルエンザH5型ウイルスが検出されたことが明らかになった。
少し前に、福建省建オウ市で人が高病原性鳥インフルエンザに感染した症例が発生した。当局衛生部門は同件に対して流行病学調査を行い、患者は鶏の屠殺および死んだ鶏を食したことが分かった。情報筋によると、患者の自宅にある鶏5羽のうち、2月14日に2羽が死に、患者と夫は死んだ2羽の鶏ともう1羽の鶏を屠殺した。患者の夫、父親、息子全員が屠殺した鶏を食したという。しかし、専門家の検査では、患者のみが高病原性鳥インフルエンザに感染したという。
情報筋によると、患者は長期にわたり慢性気管支炎を患い、肺の一部はうまく機能しないことから、長期に渡る投薬で免疫力は低下し、体が弱いため、鳥インフルエンザに感染したとみられる。
2007年に入ってから、アジア、欧州、アフリカの多くの国で鳥インフルエンザ感染が勢いよく再発した。専門家らは、鳥インフルエンザの盛り返しは渡り鳥が媒体であるとの見解を示している。新たな鳥インフルエンザ感染の中で、各国衛生部門に強く関心を引き寄せられたのが英国とナイジェリアである。特に英国は1月末に2500羽あまりの七面鳥が相次いで死亡したことはまだ記憶に新しいものである。その他に、ハンガリー、トルコ、ロシア等国も今年に入ってから鳥インフルエンザ感染が相次いでいる。
一方、ナイジェリアでH5N1型鳥インフルエンザに感染した女性(22)は1月末に死亡したことから、同感染で死者を出したアフリカ国家では3つ目になる。さらに、2月初旬に2人の女性も鳥インフルエンザに感染し死亡した。2006年以降、人が鳥インフルエンザに感染し死亡した症例が13例に上った。
アジアは依然として鳥インフルエンザ感染において、世界でもっとも深刻な地域である。実際、今年2月に鳥インフルエンザが原因で死亡した女性を含み、インドネシアではすでに64人の死者が出ており、世界において、鳥インフルエンザ感染による死者数がもっとも高い国である。
一方、日本では今年に入ってから4軒の農家で鳥インフルエンザ感染が発生した。当局衛生部門は、鳥インフルエンザの媒体はネズミなどの小動物である可能性が高いとみており、小動物はウイルスが含まれている渡り鳥の排泄物を鶏舎に持ち込んだとの見解を示している。また、ベトナム、韓国、ラウス、クウェートなどでも鳥インフルエンザ感染が相次いでいるという。
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