【大紀元日本5月13日】中国南西部の四川省を震源に12日午後2時半(日本時間同3時半)ごろ、マグニチュード(M)7・8の強い地震が発生した。国営新華社によると、同日同8時半(現地時間)までの地震による死者は、同省内と周辺地域を含めて8689人、負傷者は1万人以上に達した。
大きな揺れを感じ、広場に避難した人々=四川省成都(大紀元)
がれきの下にはまだ多くの人々がいるとされ、死傷者はさらに増えるとみられる。
北京から上海、香港、台湾と広範囲に揺れは感じられ、タイのバンコクやベトナムのハノイにまで揺れが観測された。
四川省地震局によると、震源は同省アバ・チベット族チャン族自治州●川県(ウエンチュアン=●はさんずいに文)で、周辺の道路網が寸断され、電話などの通信網も機能していないことから、同省やその周辺の甘粛省、雲南省、重慶なども含めた死傷者数はさらに増えるという。
同省のある市民は、「わたしは、震源から300㎞ほど離れているところに住んでいるが地域の通信網は不通になっている。唐山地震(1976年)よりも被害は大きい。非常に厳しい状況だ」と述べた。
また、別の住民は「電話もだめで、携帯も使えない。交通手段も不通」と語った。
報道によると、震源の周辺都市では、学校の建物が倒壊し、少なくとも学生900人ががれきの下にいるという。
中国政府は、人民解放軍を派遣したが、詳細はまだわかっていない。
新華社によると、北京で揺れが感じられたのは、地震発生7分後の午後2時35分(現地時間)で、上海では、M5・7を観測し、高いビル内で勤務していた人々は避難したという。
●川県から350㎞の重慶の住民によると、揺れたとても強く、怖かったという。倒壊する建物もあり、「16階ビルの屋上の広告看板
揺れを感じて、車から離る市民=四川省成都(大紀元)
が激しく揺れていた」という。
また、震源地から145㎞にある成都の報告によると、住宅の壁に亀裂が生じ、繁華街の建物が倒壊したという。
隣接する雲南省でも、建物が倒壊したが、犠牲者はまだ報告されていないという。
電気や通信などのインフラが不通となり、被災地の情報は少ないが、余震が起こるたびに人々はパニック状態になっているという。
ビデオ:四川省住民が撮影した地震の模様
武漢の住民によると、「武漢地震研究所は5月7日に、地震に備えるようにという報告がネット上で発表された。地元行政府に情報を求めたが、単なるうわさであると片付けられた。行政府は、間違った対応をしたことを隠そうとしている」という。
成都の住民によると、強い揺れを感じた人々は、通りに走り出たという。「1カ月前に、地震が起きると聞いていたが、現実になった」という。
中国で発生した主な大地震
1920年12月16日 甘粛省M8・5 死者23万人
1927年 3月23日 甘粛省M8・0 死者4万1千人
1932年12月26日 甘粛省M7・6 死者7万人
1970年 1月 5日 雲南省M7・8 死者1万5621人
1974年 5月11日 四川・雲南省 M7・1 死者1万人
1976年 7月28日 河北省唐山M7・8 死者24万人
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