【大紀元日本1月10日】巷に「中国式」という特別な修飾語がある。それを付けると、多くの不条理がまかり通る。「中国式」取り壊しもそのひとつ。都市の再開発という大義を掲げると、横柄な、時には暴力も辞さない強制作業が行われ、住民を窮地へと追い込んでいく。
中国の国内紙・新京報に掲載されたこの写真の建物も中国式取り壊しに遭った。四川省の綿陽市にあるこの建物の最上階に住んでいた趙雁紅さん(女)一家にとって、文字通りの「空中楼閣」になった家にはもう帰れない。大晦日と元日の2日間で自宅の下の5階部分がすべて取り壊され、6階の自宅へ続く階段も壊されたからだ。
昨年7月、綿陽市の亜川不動産会社の土地開発計画により、趙さんが住むこの建物が住居移転の対象となった。しかし、趙さんが移転条件に同意しなかったため、先月、亜川不動産は彼女と30分だけ面談し解決をはかろうとしたが、進展が見られなかった。
そんな中、趙さんは、亜川不動産が身元不明の人間を雇い、移転に同意しない住民らを殴打し、けがをさせ、うち1人は重傷を負ったと新京報に語った。また、住民・包兵さんは、12月29日に亜川不動産の取り壊し作業を阻止しようとして、6人に取り囲まれて殴られ、脳しんとうを起こし1週間入院したと証言している。
不動産側は、住民らの反対を無視し、そしてまだ住んでいる住民がいるにもかかわらず、昨年12月31日、ショベルカーで強制的に解体作業に踏み切った。「空中楼閣」となった趙さんの家には今でも、すべての家具が残っている。
(張凛音)
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