【大紀元日本10月13日】世界各国の医師が参加する「臓器の強制摘出に反対する医師会」(Doctors Against Forced Organ Harvesting、DAFOH)はその公式サイトにて、中国衛生部トップ宛に要請文を掲載した。同文でDAFOHは中国政府に対して、臓器移植に関する正確かつ明確なデータを、世界保健機関(WHO)、世界医学協会(WMA)、移植協会(TTS)に提示するよう求めている。
DAFOHの調査によると、これまで中国国内の病院で行われた臓器移植手術の回数とドナーの数が合致しないなど、多くのデータの矛盾が明らかになっているという。このことについて、「提供を願わない人の臓器を、生きたまま奪取しているという事件が中国で起きていることについて、国際社会は大きな関心を寄せている」とDAFOHは文書に書き記し、医療関係者をはじめ、各界の人々に同嘆願書への署名を呼びかけている。
同文は中国衛生部に対して、中国国内での臓器移植に関する正確なデータの開示を要求するほか、臓器の出所を記録した正確かつ透明性のある資料の提出を要求している。例えば、死刑囚からの臓器提供の数、囚人ではない人による自発的な臓器提供の数、処刑された犯人から臓器を提供された直系親族の数などが挙げられる。
DAFOHスポークスマンのトーステン・トレイ医師によれば、世界各地の医者は中国国内での臓器移植にますます関心を示している。同医師はカナダ外務省前アジア大洋州局長デービット・キルガー氏と人権弁護士デービッド・マタス氏の共同調査報告書のデータを引用して、「過去7年間において、中国では4万件以上の移植臓器の提供が不明となっている。中国各地の病院を電話調査した結果、移植希望者に扮した調査員に対して、17人の専門医が、臓器の出所は弾圧を受けている法輪功学習者のものだと暴露した」という。
また、国連拷問特別調査官マンフレッド・ ノーワック氏(Manfred Nowak)は国連に対して、中国政府は正確な死刑囚の数を公表すべきだと提議した。ノーワック氏は、「生きた法輪功学習者から臓器を奪取しているという疑いに反論するには、臓器移植の提供元を十分に説明することだ。特に自ら臓器提供を希望した人と処刑された囚人に関するデータは重要だ」とし、法輪功弾圧が始まった翌年の2000年から2005年までの、臓器移植の総数と出所を確認できる臓器提供の数量との差を説明するよう求めた。
今回の要請文では、「臓器提供を希望しない生きた人、特に法輪功学習者の臓器が、本人の意思にかかわらず、『臓器提供バンク』に登録されている」と強調している。また同文の写しは、中国の胡錦濤・総書記、米オバマ大統領、独メルケル首相、欧州議会のイェジ・ブゼク議長などにも提出された。
DAFOHはいかなる経済団体の支援も受けない独立運営の医師会。その主旨は人類の尊厳を守り、医学界で最高レベルの倫理基準を推し進めること、ヒポクラテスの誓詞、ジュネーブ宣言、ニュルンベルク綱領、ヘルシンキ宣言をガイドラインとしているという。スポークスマンのトーステン・トレイ医師によると、同会は医学倫理に背き、非合法的な手段による臓器摘出を研究・調査し、結果を発表し続けている。
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