【大紀元日本8月6日】ウィキリークスが昨年に公開した、2007年10月5日駐上海米領事館発の機密公電「中国の政治的暴力に対する南京学者の見方」によると、最高指導者も含む政治暗殺と政治暴力が中国政界で繰り広げられているという。
公開された公電によると、元中共政治局常務委員で元中共紀律検査委員会書記・呉官正氏の長男が2007年1月に殺害されたという。南京大学の谷教授が2007年9月28日に行った談話中、北京市公安局に勤務している親族の証言として伝えられた。
国営企業に勤務していた呉氏の長男は、契約を結ぶために山東省青島市に出張したが、3日後に宿泊していたホテルで、死体で発見された。
青島市公安局幹部は、呉氏の長男は暗殺されており、暗殺の実行は北京からの指示だったと、殺害情報を同教授に漏らした。一方、青島市公安局長は、事件現場である呉氏の息子が宿泊していたホテルの最上階には何者かが出入りした証拠はなく、犯罪容疑となるいかなる証拠も残ってなかったと話している。
呉氏は在任中、職務上多くの官僚から恨まれていた。その中で、腐敗により倒された元上海トップの陳良宇氏や北京のある指導者についての調査がもっとも注目され、影響も大きかった。呉氏を警告するため、そして復讐するためにこのような人物から彼の長男の暗殺命令が下されたのだろうと、谷教授の同親族は推測しているという。
息子の暗殺により、呉氏は大きな打撃を受けた。呉氏には二人の息子がおり、暗殺された長男は才能が有り、将来は後を継がせるため、政界に送ろうとしていた。呉氏はかつて政治局会議で、「腐敗調査のため息子を死なせた。息子はわたしの政治事業のために亡くなった」と語っていた。
同教授の証言によると、中共指導部における暗殺は呉氏だけではなく、他の高官やその家族にも起きていた。2006年、胡錦濤総書記の息子もかつて暗殺のターゲットにされたが、その暗殺は未遂に終わった。それ以来、胡錦濤総書記の息子は勤務していた会社を含め、安全管理を強化してきた。
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