2012年の中国のGDP実質成長率は7.8%で、13年ぶりに8%を割り込んだ(AFP)
【大紀元日本1月19日】中国国家統計局が18日発表した2012年国内総生産(GDP)の実質成長率は7.8%にとどまり、アジア金融危機の影響が深刻だった1999年以来、13年ぶりに8%を割り込んだ。専門家は、今回の下落は下げ止まりではなく、向こう数年以内、ふたたび大きく落ち込む可能性があるとみている。
その中、第4四半期の実質GDPは前年同期比7.9%増で、8期ぶりに前期を上回ったが、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは専門家の意見として、これで安心するのはまだ早いと指摘。中国のGDP成長率はすでに2010年の10.3%から2ポイント以上下がっており、この大幅な下落は数年以内にふたたび起きる可能性があるという。
こういった指摘をしたのは、アメリカの経済学者バリー・アイケングリーン教授とアジア開発銀行のパク・ドンヒョン氏と高麗大学のシン・カンホ氏。3人は2011年、「中所得の罠」をテーマとした研究で、1人当たりのGDPが1万6000ドル程度に達すると、国の成長率が2ポイント以上低下する傾向があると論じた。また今月発表した3人共著の論文では、1万6000ドルよりさらに低所得の段階、1万1000ドルでも同様な現象が起こると指摘。中国は現在、この転換ポイントを迎えているという。
この理論通りでいくと、中国は数年後、1人当たりのGDPが1万6000ドル程度に達した時に、成長率はふたたび2%前後低下することになる。
中所得国の経済に急ブレーキがかかる理由について、論文では、金融危機や製造業競争力の低下、政治危機などを挙げている。一方、教育レベルが高く、輸出品にハイテク製品が多く含まれる国は、減速が緩やかになるという。中国はこの2つの面において「点数が良さそうにみえる」が、政府が発表しているデータは中国の実態をかならずしも反映していないとアイケングリーン教授は注意を喚起した。
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