【大紀元日本3月21日】秒読みとみられていた周永康氏の摘発は、全人代が閉幕して一週間経ってもその気配はない。こうした中、香港メディアは、周事件の公開は、周辺幹部への取り調べがさらに徹底されてからになると報じた。
香港蘋果日報(アップルデイリー)は、周永康事件とかかわる人物が多く、単純な腐敗事件として片付けられないことを指摘し、政治事件として扱うにはまだ時間が必要で、発表の日付は「調査の進展と政治的タイミング」に左右されるとした。
同報道はまた、周氏摘発の前にはさらに「重要な高官」の失脚が続くとみている。それを裏付けるかのように、周氏と関連する重要人物への調査が相次いで伝えられている。
香港誌・明鏡は1月末、北京市王安順市長が1月21日から23日まで、行方が分からなくなっていたと伝えていた。その間に王市長は、中央規律検査委員会に呼び出されていたと19日、香港「外参」誌が伝えた。委員会は王氏に、周永康氏との関係を説明するよう求めたという。
王市長と周氏は、東北の油田時代から、国土資源部、政法委まで長い付き合いだったという。周氏が国土資源部部長を務めていた当時、王氏は同部の人事権を握っていた。周氏が四川省党委書記だった頃、王氏は甘粛省の党委で要職を勤め、その後は上海市、北京市と、周氏の昇進とともに出世街道を歩んだ。「王は周が北京市に配した腹心の1人だ」と同誌は指摘する。
北京市長のほか、昨年末から、取り調べを受けていると伝えられていた中央軍事委員会ナンバー2だった徐才厚前副主席についても最近、同氏とその妻子、秘書が拘束されたという情報が香港メディアに伝えられた。英字紙のサウスチャイナ・モーニング・ポストは17日、徐氏が末期ガンのため、取り調べが中止されたとも伝えたが、20日には一転し、病院から連行されたと伝えた。
徐氏は江沢民氏に抜擢され、胡錦濤氏が江氏から軍権を引き継いだ後も、江氏の軍での目付役としてナンバー2の座に居座った。薄煕来受刑者とも親しい関係にあり、周氏らの政変容疑にも深くかかわっていることが伝えられている。
昆明事件が起きた雲南省では、すでに取り調べが報じられていた同省沈培平副省長のほか、元省トップの省委書記を務めた白恩培氏や、現省トップの秦光栄氏の周永康氏との関係も焦点となっている。中国屈指の埋蔵量を誇る同省の鉱物資源が省幹部と周氏らとの接点となり、周一族が省幹部から手に入れた資源を用いて莫大な富を築いたとされている。
このほかにも、江蘇省党委書記や南京市党委書記も周永康関連の容疑で調査を受けていることが海外の中国語メディアに報じられている。元国家副主席の曽慶紅氏への調査や、江氏の息子が支配する携帯電話最大手・中国移動の幹部が相次いで取り調べを受けていることから、周永康事件は、江氏をトップとした全国におよぶ権力のネットワークに絡むものであることが一層鮮明になっている。
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