【大紀元日本10月3日】香港で行政長官選挙の民主化を求める抗議デモが続いている。梁振英の辞職を求める「最後通告」の期限日だった2日、抗議者は行政長官官邸を取り囲んだ。メディアの報道によると香港警察はすでに催涙弾やゴム銃弾などを行政長官官邸に運び入れている。警察と民衆の激しい衝突はいつ勃発してもおかしくない状況で、情勢は一段と緊迫している。
梁長官が辞職拒否 武器輸送で対立激化
政府庁舎を包囲するデモ隊は「最後通告」を出し、10月2日の夜までに梁振英・行政長官および政治改革3人組の辞任、更に、日本の国会に相当する中国全国人民代表大会(全人代)常務委員会が採択した選挙改革案の撤回の要求が受け入れられないのであれば、抗議行動をエスカレートすると警告した。
梁長官は10月2日の夜に緊急記者会見を開き、辞任要求を拒否すると発表した。その後、政府は学生との話し合いに応じる姿勢を見せたが、詳しい日時は決まっていない。香港テレビ局の報道によると、学生らは、梁長官は学生らの要望を受け入れず、ただ「時間を引き延ばす戦略」であるとみている。
一方、香港紙「明報」は、10月2日正午すぎにゴム弾や催涙ガス、警棒などの武器を数回に分けて行政長官官邸に搬送しており、デモ隊が警戒線を越えて官邸に突入した場合、警察らは「デモ隊を排除するために必ず武器を使う」と、香港警察の高官の話として伝えた。
香港警察からの威嚇や警告に直面しているにもかかわらず、民主派団体の指導者らは引き続き香港市民に集会やデモに参加し、長官官邸を包囲するよう呼びかけ続け、「恐怖知らず、命懸けの抵抗」「梁振英、行政長官は辞任せよ」などとシュプレヒコールをあげた。
香港問題 解決のカギ、北京が握る
欧米諸国メディアは10月2日、香港政局の評論の中で、引き続き香港の青年たちの自由で民主的な要求に対して同情を表わした。そして、問題解決の中核は北京にあることを強調した。
香港立法会議長の曾_yu_成氏はメディアの取材に対し、デモ参加者らが梁長官の辞任を交渉の前提条件とすることは実現が難しくなると述べ、同意すれば「大規模な大衆運動で政権をひっくり返すことができる」とのメッセージを伝えることになるので、北京当局は「絶対に同意しない」との見方を示した。
フランス主要紙リベラシオン(Liberation、左派系)に香港民主化デモに関し、下記のような論述があった。「香港人は奮い立って中国政府に抵抗している。なぜならば、この政府は以前、野蛮な鎮圧手段を香港に輸出しないことと、香港人の民主主義の価値観を尊重することを約束していたからだ。しかし、独裁の共産党政権は狂った資本主義を受け入れたが、個人の自由を禁止している。こうした不均衡こそが、香港人を街頭に駆りたててしまった」
スペイン紙La Vanguardiaは次のように述べている、「北京は現在、待機しているようだが、待つ時間はそんなに長くないはず。…北京は次期の党大会の前に解決することを望んでいる。中国は現在の行政長官を犠牲にするかもしれないが、それでは十分ではない。別の場所で抗議をかき立てる可能性が高い。にもかかわらず、グローバル時代に暴力弾圧は方法とならない」
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