東日本大震災から6年が経とうとしている。最近の調査では、家庭での防災意識は薄れつつあることが明らかになった。住友生命の調査結果によると、防災意識の薄れは、知識不足と資金不足にあるという。効率のよい防災対策とは何だろうか。
防災意識調査の結果
住友生命は2日、家庭の防災意識を調査した「わが家の防災アンケート2017」の結果を発表した。約80%が「地震」は最も備えるべき災害と回答した。また、北海道の「大雪」や九州の「台風」といった地域性のある回答も見られた。
一方、昨年から新たな防災対策を実施していないとの回答は、約76%だった。
防災対策で実施していることのトップ3は、昨年と変わらず「非常用飲料水の備蓄」「非常用食品の備蓄」「非常用持ち出し袋の準備」で、「特になし」がやや減少。逆に、していない理由のトップ3は「何をしたらいいか分からない」「つい先延ばし」「特になし」となった。
全体では、防災対策に支出をしていないという回答が57.7%に上った。また、若年層ほど防災にお金をかけないという傾向がある。防災にかける金額は平均2501円で、前年比で706円減少した。防災支出が最も高い中・四国地方では平均3355円であり、最も少ない九州では1589円と約2倍の差がある。
お金をかけずに防災対策する方法
では防災のために何をすればよいのか。
お金をかけずにでき、しかも非常に効果があるのは「避難場所・経路の確認」と「防災訓練の実施・参加」だ。日頃から意識しておくことで非常時に冷静な判断を下すことができる。「家族間での連絡方法の確認」も重要で、伝言板の利用方法を確認しておくことが必要だ。
いつ来るか分からない災害に備えて出費するのはコストパフォーマンス(支出した費用に対して得られた満足度の割合)が良くないと思うかもしれない。しかし、「備えあれば憂いなし」の言葉通り、いざというときに準備がある方がはるかに心強い。
調査によると、「家庭で実施しなくてはいけないと思う防災対策」は一位から順に、非常用持ち出し袋の準備(40.8%)、非常用食品の備蓄(36.9%)、非常用飲料水の備蓄(33.5%)、家族間での連絡方法の確認(29.1%)、家具などの転倒・落下防止策(28.6%)、寝室に懐中電灯やスリッパ等を用意(24.1%)、避難場所・経路の確認(22.9%)、特になし(19.9%)、家屋の耐震化(13.2%)、自治体や勤務先の防災情報メールに登録(10.6%)、防災訓練の実施・参加(9.5%)だった。
調査は昨年12月9~12日にインターネットで行われた。全国の男女1000人が回答した。
(編集・文亮)
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