東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故から12年。被災地などでは黙祷や追悼式典が挙行され、災害の記憶を風化させない取り組みが行われた。都内では岩手日報が特別号外を配布し、支援への感謝の気持ちを表した。
「東日本大震災の翌年から、支援の感謝を込めて、全国各地で号外を配布している。今年は13回忌に当たるので、今年を区切りとして、最後にしたいと思っている」。
こう語るのは岩手日報の菅原智広東京支社長。大紀元の取材に対し、「ご遺族の方などは、やはり心の傷は癒えない。そこはずっと変わらないのだろうなと思う」と心中を吐露した。
会社員の保田暢彦さんは号外について「震災直後は厳しい話もあったが、だんだん回復はされている中で、前向きな話が増えてきた」「紙面もどちらかというと前向きな希望を伝える内容になっているのではないか」と述べた。
妻の貴子さんは「震災直後は、毎日のように被災地の様子が東京でも報道されていたが、最近はだんだん落ち着いてきて、記事もあまり見かけなくなった」と語った。号外を読むことで「戻れない方もたくさんいらっしゃるので、改めて思い起こす機会になり、すごく貴重なことではないかなと思う」と話した。
菅原氏は、出来事の風化により号外を受け取る人が年々少なくなってきているなかで、「首都直下地震とか南海トラフ巨大地震などが想定されているので、東日本大震災のことを忘れないで、教訓に生かしてもらいたいなと思っている」と述べた。
岸田首相はこの日福島県福島市で開かれた追悼式に出席。東北地方をはじめとする「本格的な復興・再生、復興に全力を尽くす」と語った。式典には国や県の関係者のほか遺族ら約300人が参列した。地震発生時刻の14時46分に1分間黙とうを捧げた。
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