外交 外務書が中国側の発表を否定

中国発表に訂正要求 石破首相発言「事実と異なる」

2025/03/23 更新: 2025/03/23

 

外務省は22日、石破茂首相と中国の王毅外相による21日の面会を巡り、中国側が発表した内容に誤りがあるとして抗議し、訂正を求めたことを明らかにした。日本政府は、中国外務省の発表における石破首相の発言が「事実と異なる」として、直ちに削除するよう申し入れた。

21日に総理官邸で行われた面会では、王毅外相が歴史問題や台湾問題について、日本側の政治的な約束を守るべきだと主張したうえで、「中国が詳述した立場を尊重する」と石破首相が述べたと中国側は発表した。しかし、日本政府はこれを否定し、「そのような発言は行われていない」と反論。さらに、外務省は「事実と異なる内容が公表されたことは遺憾である」との声明を出した。

日本政府によれば、石破首相は面会中、中国に滞在する日本人の安全確保や拘束されている邦人の早期釈放、日本産水産物の輸入規制撤廃など、両国間の懸案事項について強調していたという。これら重要な課題については、中国側の発表には触れられておらず、日本政府はその点についても不満を示し、事実と異なる記述を直ちに削除するよう申し入れたという。

王毅外相は、日中韓外相会談出席のため訪日しており、両国間の信頼関係構築が課題となる中で、このような摩擦が生じたことは、今後の協議にも影響を及ぼす可能性がある。

外務省は引き続き、中国側に訂正を求める姿勢を示しており、実際に記述が削除されたのかどうか、双方の意見がどのように調整されるか注目される。

共産独裁の中国共産党政権は、国内向けにこうした事実と異なるプロパガンダを実行することが常だ。これは中国本土の人々へ海外インターネットへの自由なアクセスを封鎖した上で行われているプロパガンダだと言う。日夜、中共政権は中国人を騙していることになる。

外務省だけでなく、日本政府が、今回、中国側の発表が正しく訂正されたのか、徹底的に検証していくことが期待されている。

外務省が発表した内容は以下の通り。

王毅・中国外交部長による石破総理表敬に関する中国側事後発表について

令和7年3月22日

「3月21日に実施された王毅・中国外交部長による石破内閣総理大臣表敬について、中国外交部は、同日発出した事後発表において、石破総理大臣が「中国側が詳述した立場を尊重する」旨の発言を行ったとしていますが、そのような発言を行った事実はありません。

中国側に対しては、当該発表の発出後、抗議し、事実と異なる記述を直ちに削除するよう申し入れました。事実と異なる発表が発出されたことは遺憾です。

今般の王毅部長による表敬では、石破総理大臣は、東シナ海情勢や中国にいる日本人の安心・安全の確保、拘束されている邦人の早期釈放、水産物の輸入規制の撤廃、牛肉をはじめとする農産物に関する問題等といった懸案や課題を減らしていく必要性を強調しており、当該発言を行った事実は全くありません」

 

エポックタイムズ記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。
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