[東京 12日 ロイター] – 共同通信や国内大手新聞社は12日、第48回衆院選の序盤情勢に関する世論調査の結果を一斉に報道した。各社とも自民、公明の連立与党が優勢とし、両党で300議席を超える勢いとの予想が目立つ。
一方、希望の党は60議席前後で伸び悩んでいるとの見通しが多数。対照的に立憲民主党は公示前の勢力から倍増し40議席を超えるとの見方もある。このままの形勢で選挙戦が進めば、安倍晋三政権継続の公算が大きい。
共同は自民党が過半数の233議席を大きく上回ると予想。日経は260人が優勢になっているとした。
公明党は解散前の35議席の維持は微妙との予想が多い。両党を合わせると、300議席を超えそうだとの見通しが報道各社で広がっている。
一方、政権選択を訴え、過半数の235人を擁立した希望の党は、公示前の57人から大きく伸びず、60議席前後との予想が多い。
公示前に16議席だった立憲民主は、倍増の勢いという予想が目立つ。読売は40議席台を確保し、自民、希望に続く第3党に躍進する可能性があるとみている。
日本維新の会は、公示前の14議席を上回ることは難しいとの予想が多く、日本共産党も公示前の21議席を下回るとの予想が多い。社民党は2議席維持の予想と1議席との見方が交錯。日本のこころは議席獲得を予想している社がなかった。
また、民進党を離党した21人の無所属のうち、読売は11人が優勢と予想している。
全般的に自民党が289の小選挙区で優位に立っているのが特徴だ。各社とも200選挙区超でリードしているとし、選挙戦の主導権を確保したかたち。
一方、希望の党は、小池百合子代表が知事を務める東京で苦戦。地方だけでなく、大都市圏で自民党のリードを許している。
民進党から希望の党に入らなかった候補を中心に結成された立憲民主は、報道各社が軒並み「躍進」を予想。安倍政権に批判的な有権者の受け皿になっている構図が、今回の調査で浮かび上がっている。
他方、公明、共産、維新、社民の4党は、「守勢」に回っているとの予想が目立つ。中でも堅い組織票を持ち、全国でしのぎを削っている公明、共産がともに現有議席に届いていないとの予想になっている。
選挙戦の序盤では、有権者の3割から4割が、投票する候補者を決めていないとみられ、情勢が今後、大きく変化する可能性があるものの、このままの情勢で終盤戦に突入した場合、安倍首相が選挙後の特別国会で首相に指名される公算が大きい。
12日の東京市場では、こうした選挙情勢も影響し、日経平均が1996年12月以来の高値を更新している。
(田巻一彦)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。