中国税関当局は、一部の欧州チーズの輸入を全面停止した。国で認可されていない「細菌やカビが多すぎる」ためだという。輸入業関係者が9月、SNS微博で明かした。
輸入停止となったのは、細菌を熟成させて作るソフトチーズ類であるカマンベール、ゴーダ、ブリー、ゴルゴンゾーラなど約50種。
欧州連合(EU)代表団のスポークスマン、ウィリアム・フリントン氏は9月、「(細菌を問題とする)禁輸措置は、理由が正当ではない。中国国内で同様のチーズを作っても、安全と見なしているからだ」と不服を述べた。
中国の西洋食品販売代理店シノディス(Sinodis)が8月末、公式の微博アカウントで、チーズの一時禁輸に関する当局の通達を公開した。それによると、「公認していない特定のカビを含むチーズ製品は一時的に輸入を禁止する」と記されていた。当局はこの通知を公表していない。
別の中国のチーズ販売業者「チーズ王国」共同創設者ヴィンセント・マリオン氏によれば、この禁輸措置は、7月末には上海で始まっていたという。しかし同氏は9月7日、「チーズがどの都市からも輸入することが出来なくなった」と微博でつぶやいた。
中国税関によると2016年のチーズ輸入量は4億ドル(450億円)以上で、日本の輸入額378億円より大きな市場だ。粉ミルクなど粉乳類は2016年、96万5000トンを輸入している。
中国が特定のチーズを禁輸にしたのは今回が初めてではない。英BBCによると2014年、中国当局は、英国の乳製品メーカーは「衛生基準を満たしていない」として英国産チーズの輸入を一時停止した。しかし、このメーカーは「中国には輸出していない」と主張したという。
ネットユーザは、カビで発酵させて美味しくさせるチーズに「細菌が多すぎる」ことで禁輸とする珍規制に、疑問を呈する。「じゃあ安徽省の臭豆腐(発酵した豆腐)は製造禁止か?」「納豆はどうするんだ?」など皮肉なコメントをつけた。
(翻訳編集・甲斐天海)
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