[東京 10日 ロイター] – 自民党の石破茂・元幹事長は10日記者会見し、9月の自民党総裁選への出馬を正式表明した。3選を目指す安倍晋三首相が国会議員の7割の支持を固めたとみられる中で、安倍政権における森友学園・加計学園問題を念頭に「正直」「公正」のスローガンを前面に出し、地方票の獲得を目指す。
石破氏は、政治・行政の信頼回復100日プランを実施すると表明。森友・加計問題を巡る政権の対応などを念頭に「人間は無謬(むびゅう)でない、間違いは間違いとおわびする姿勢が必要。自分が国務大臣の際、官僚組織に転嫁しないことを心がけた」と強調した。森友学園問題で論点となっている安倍昭恵・首相夫人について「国民の税金でサポートしている以上、純然たる私人とは言えない」と指摘した。
今国会の予算委員会の大半が森友・加計問題の追及に費やされた経緯を踏まえ、国会改革が必要と強調。小泉進次郎・筆頭副幹事長ら自民党若手が提唱する国会改革に賛意を表明した。
また「野党がばらばらで無力であるときこそ、自民党はより厳しく己を律しないといけない」、「安倍総理がどれだけ国民から信頼されているか、常に真剣に配意する必要がある」と述べた。
総裁選では、憲法改正も争点になると指摘。「憲法改正で優先順位が高いのは、参議院の合区解消と基本的人権に配慮した緊急事態条項」とする一方、「9条については、国民の深い議論が必要」との見解を示した。
経済政策を巡っては、アベノミクスを「株価上昇や輸出企業の業績、雇用の改善を否定はしない」として評価しつつ、地域・世代間の格差是正など課題を先送りしないことが重要と強調。少子高齢化を背景に「財政、社会保障はこのままでは持続することができない」と指摘した。
同時に、意識する過去の首相として竹下登氏を挙げ「消費税が必要だと訴える姿勢に感動した」と述べ、また、石破氏支持の方針を示している参院を中心とした竹下派メンバーに謝意を示した。
自民党の杉田水脈・衆議院議員の発言を受けて性的少数者(LGBT )への同党の姿勢が焦点となっているが、「日本国民の8%といわれる方々の思いを傷つけて平然としていることはならない」と厳しく批判した。
*内容を追加して再送します。
(竹本能文)
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